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ブックマーク / hirokimochizuki.hatenablog.com (5)

  • 自己責任を求める成功者たちにつけるクスリ - 望月優大のブログ

    田圭佑氏のツイートが話題になっていた。若い世代の自殺に関するニュースを取り上げて「他人のせいにするな!政治のせいにするな!!」と吼えている。ああ、このツイートは見たくなかった。好きなサッカー選手であるだけに個人的には残念な気持ちになった。 田氏が取り上げている記事はこちら。 記事を一目読んでみていただければわかる通り、田氏が言うような「他人のせい」とか「政治のせい」とかそういった内容についての記述がある記事ではない。これを読んであのような書き込みをするということは、彼が「自殺」という問題を考えるうえでのある種の思い込み、「自殺者は自分の苦境を「他人や政治のせい」にして自死したのだろう」といった類の思い込みがあるからだろうと思う。若者に対して強く生きるように鼓舞したいという彼の気持ちはわからなくもないが、この文脈で使うべき言葉、そして言葉遣いだとは到底思えなかった。 平凡な、物言いでは

    自己責任を求める成功者たちにつけるクスリ - 望月優大のブログ
  • 鈴木謙介氏の整理に沿ってーー経産省「次官・若手ペーパー」論(3) - 望月優大のブログ

    社会学者の鈴木謙介氏が件のペーパーをもとに始まった議論に対してある種の総括(?)的なブログ記事を書かれていた。鈴木氏のことは昔から尊敬しており、過去に氏の著作のいくつかを読んできたのはもちろんのこと、講演を聞きにいったこともある。記事中で私のブログも紹介くださっていたので、勝手に胸をお借りする気持ちになってアンサーブログという形でまとめておきたい。 私の過去記事はこちら。 鈴木氏の趣旨は明快で、記事タイトルの「選択肢を理解する」の通りである。すなわち「どこに論点の中心があって、何が対立していて、そして僕たちに示されているのはどのような選択肢なのかということが明らかになっていない」ので、それを明らかにしようということである。 私も二目の記事で「どこに国家観や政治思想上の大きな分岐が走っているかを正しく認識したうえで自分の思考を深めてみていただければと思う」と書いていたが、それと基的に同趣

    鈴木謙介氏の整理に沿ってーー経産省「次官・若手ペーパー」論(3) - 望月優大のブログ
  • 経産省「次官・若手ペーパー」に対する元同僚からの応答 - 望月優大のブログ

    経済産業省の「次官・若手プロジェクト」によるペーパーが話題になっていた。私自身、新卒時に同省で働いていたのだが、このペーパーの作成に私の(個人的に親しい)同期なども関わっているようだ。 不安な個人、立ちすくむ国家 〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜 平成29年5月 次官・若手プロジェクト | 産業構造審議会総会(第20回)‐配布資料 | 経済産業省 したがって、以下に述べていくことについては、このプロジェクトの参加メンバーに対する人格攻撃の意味合いをまったく持たず、このペーパーが提案する国家観及び社会像そのものに対して応答していくものである。あらかじめ述べておくが、私の意見の基調は「反論」のそれである。しかし繰り返しになるが、その目的は特定の誰かへの攻撃ではなく、政府が発表しかつ社会的に話題になっている資料について、そこでなされている議論の整理と、別の視点を提供することだけをこの文

    経産省「次官・若手ペーパー」に対する元同僚からの応答 - 望月優大のブログ
  • 日本の貧困は「降格する貧困」に近づいている。セルジュ・ポーガム『貧困の基本形態』講演から。 - 望月優大のブログ

    「はしごの下にいるんだよ。それ以外におれたちが誰なのかをはっきりさせる言葉があるのか。おれたちははしごの下にいて、うやわず、それだけさ。おれたちのための言葉なんてない。はしごの下には工員がいて……やがて上に上がっていく。でも、おれたちは?失業者じゃない、工員じゃない、何でもない、存在しないんだよ!社会の乞だ。それがすべてさ。何者でもないんだ!」(工場勤務歴20年以上の41歳RMI受給者の語り) セルジュ・ポーガム『貧困の基形態』終章の冒頭に掲げられたエピグラフ 10/22に現代フランスを代表する社会学者であり、貧困の社会学で有名なセルジュ・ポーガム教授の講演に行きました。講演のタイトルは「貧困の基形態 日的特殊性の有無について」となっており、今年日語訳された『貧困の基形態』のタイトルをそのまま掲げつつ、さらに日貧困についても語ることが期待されました。 日仏会館フランス事

    日本の貧困は「降格する貧困」に近づいている。セルジュ・ポーガム『貧困の基本形態』講演から。 - 望月優大のブログ
  • 「どんな人でも役に立てる」と「役に立たなくても生きていける」の違い - 望月優大のブログ

    イギリスで主に障がい者向けの福祉予算が削られているというこの記事を読んで。 英国福祉改革センターのサイモン・ダフィー博士によると、世界金融危機後の2010年に保守党が政権を握って以降の6年間、障害者は健常者と比べて9倍、重度の障害を抱える人々にいたっては19倍も厳しい生活を強いられてきたという。こうした状態に陥ったのは、福祉と住宅手当、社会保障の削減が重なった結果だ。 ある国が生みだす富は有限で、それは現在で言えばGDPと呼ばれている。そして、そのGDPから国や地方自治体が徴収する税ももちろん有限で、その有限な資金をもとに、政府は国民の権利を保障するための歳出を行う。問題は、その歳出が歳入に見合わないほど大きくなったときどうすればよいのか、だ。 選択肢は二つしかない。歳入を増やすか、歳出を減らすか。歳入を増やすには、GDPを増やすか、税率を上げるか、あるいは借金をするという方法がある。歳出

    「どんな人でも役に立てる」と「役に立たなくても生きていける」の違い - 望月優大のブログ
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