「スマホをポケットに入れているだけで学習効果が著しく下がる」「1日2時間を超えるスマホ使用は、うつのリスクを高める」――。脳科学に関する世界中の研究結果をもとに、スマホなどデジタルメディアの悪影響を告発する「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳、新潮新書)が話題だ。本書によると、スマホは依存性が高く、脳内のシステムを支配してしまうこともあるという。著者でスウェーデンの精神科医であるハンセン氏に聞いた。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】 「スマホが存在するだけで集中力が低下」 ――本書は膨大な数の研究結果を引用し、デジタル化する社会に警鐘を鳴らしています。日本を含む13カ国で翻訳され、世界的ベストセラーになっていますが、なぜ執筆しようと思ったのですか。 ◆精神科医として病院に勤務していますが、近年、不眠を訴える若い患者が非常に増えたことがきっかけです。話を聞いてみると、スマホを