『脳を創る読書』(著者/酒井邦嘉、出版元/実業之日本社)という本が話題だ。現在、出版業界では各社とも電子書籍の普及に注力しているが、本書は改めて「紙の本」の良さを脳科学的に問い、なぜ私たちたち人間に「紙の本」が必要なのかを提示している。紙に印刷された「文字」が「脳」に与える効果とは一体? 電子書籍と「紙の本」の違いはどこにあるのだろうか。著者で東京大学大学院総合文化研究科の酒井邦嘉教授に話を聞いた。 詳しい記事はこちらから よく「電子書籍だと内容が記憶に残りにくい」と言われる。これは科学的な根拠があるものなのだろうか? 「まず、科学的なデータがあるかということをいわれると、そういう科学的な調査をしたわけではありません。また調査の方法によっても結果が変わってくると思います。“内容を覚えていますか?”という割と表面的な聞き方をすると、ほとんど変わらないかもしれない。けれども意外と、頭に自