目の前にこぼれてきたボールに、誰よりも早く反応した。研ぎ澄まされた集中力。一瞬にしてボールを支配下におさめたダッシュ力。そして、日本代表GK西川周作の牙城を破る決定力。FC東京の成長株、22歳の橋本拳人がまばゆい輝きを放った。 ■6月22日 埼玉スタジアム 敵地・埼玉スタジアムに乗り込んだ22日のファーストステージ第13節。ACLとの関係で未消化となっていた一戦は、前半13分にFWムリキの来日初ゴールでFC東京が先制する。 迎えた同31分。オーバーラップした右サイドバック・徳永悠平が前線のFWネイサン・バーンズへスルーパスを入れる。前方をレッズの選手たちにふさがれながら、それでもバーンズは強引に突破を図る。 MF阿部勇樹、DF槙野智章と2人がかりブロックに止められたが、前への推進力が強かった分だけ、ボールが前方へこぼれる。その瞬間、橋本はペナルティーエリアのやや外側、バーンズの右斜め前方に