サッカーJリーグ2部(J2)のFC東京で主将を担うDF今野泰幸選手(28)は、東北出身で唯一の現役日本代表だ。東日本大震災に被災した故郷への思いを胸に試合に臨む。 今野選手は仙台市太白区で生まれ育ち、東北高(仙台市)を卒業してプロになった。親族や友人に震災で命を落とす人はいなかったが、報道で知る故郷の光景に心が痛んだという。 「何かできることをやらなくては」と、同僚と募金箱を手に街頭に立ち、日本代表として3月29日の慈善試合に出場。故郷の知人から「避難所で衣類が足りない」と聞き、同僚らから下着やおむつ、Tシャツ、タオルなどを集めた。 震災1カ月となる4月11日、トラック2台、普通乗用車1台分の救援物資とともに宮城県を訪れた。被害の大きかった仙台市若林区や名取市、亘理町の避難所を回り、子どもたちとサッカーをした。 子どもたちは「友人が亡くなった」「チームの監督が津波に流された」と話した。それ