ロイ・ハーグローヴがわずか49歳でこの世を去ってから早5年――稀代のジャズトランペッターである彼の人生に迫るドキュメンタリー映画「ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅」が命月11月に日本で公開される。監督を務めたのはハーグローヴと同世代で30年近くにわたって親交のあったエリアン・アンリ。2人は2016年から1年半かけて構想を練り、2018年1月から撮影を敢行、結果としてハーグローヴの最後の1年をカメラに収めることとなった。 人工透析を受けながら演奏活動を行う過酷な日々と、そうした病を微塵も感じさせない、窓辺でリラックスしながら、あるいはステージで白熱しながら奏でるトランペットの音色。本作にはそうしたロイ・ハーグローヴのリアリティが刻まれているとともに、映画のエグゼクティブプロデューサーを務めたエリカ・バドゥをはじめ多数のミュージシャンたちのインタビューを差し挟むことで、ハーグローヴの足跡