ドラゴンクエスト(以下、ドラクエ)といえば、たいていの人がご存じだと思うので、引き合いに出すとしよう。このゲームを紹介するとき、大きく分けて2つの方法がある。 1つは、ドラクエそのものを紹介する方法である。「1980年代に出たファミコンソフトであり、本格的RPGであり、少年ジャンプの鳥山明の絵が受けて大ヒットし……」といった具合だ。 そしてもう1つ、外から攻めていって浮き彫りにする方法がある。たとえば、「指輪物語」以来のファンタジーから話を起こしたり、当時の主流、スーパー・マリオ・ブラザーズなどのアクションゲームと比べて説明したりする。先の方法が「粘土をこねて像をつくる」だとしたら、こちらは「まず枠をつくってから粘土をつめる」だ。 社会学には共通の基礎理論がない 少し考えれば分かるが、前者の方が単刀直入で誤解も少ない。後者だと、外側をすべておおわないと完成しない。回りくどく、時間もかかり、