中国湖北省の長江で1日夜に旅客船が竜巻に巻き込まれ転覆し、多くの行方不明者が出ている事故。当時の詳しい状況は分かっていないが、運航時の悪天候や転覆した旅客船の構造などからは日本とは異なる状況も見える。国土交通省の担当者は「ハード、ソフトの両面から安全が守られている日本では考えにくい事故」と指摘する。 国交省によると、日本では船舶安全法で、船体の重心を低くすることで、傾いても元の姿勢に戻る「復原性」を一定程度保つよう義務付けている。突風なども考慮したレベルの復原性を求めているという。 また、海上運送法の安全管理規定で、どのくらいの風速や波の高さに達すれば出航を取りやめるか、出航後の場合はどこに避難するかを船ごとに定めるほか、航行の安全に当たっては、船長と陸上の運行管理者が密に連絡を取り合うことなども義務付けている。 今回の事故では、現場付近は激しい風雨だったとされる。その上、国交省の担当者は