鹿児島・奄美大島で海底に美しい「ミステリーサークル」を描くフグが、国際的な研究組織が選ぶ今年の「世界の新種トップ10」に入ったと、国立科学博物館が21日発表した。 奄美大島では例年、春から夏にかけ、海底の砂地に直径2メートルほどの謎の二重円が出現。地元のダイバーらが調査し、3年前、オスのフグがメスの産卵用に約1週間かけて作ることを突き止めた。同館の松浦啓一・名誉研究員らが新種と確認し、昨年、星をちりばめたような模様から「アマミホシゾラフグ」と命名した。 トップ10は、米国に事務局がある「国際生物種探査研究所」が毎年、前年に発表された新種の中からユニークな生物を選出。アマミホシゾラフグは世界で約1万8000種の新種から選ばれた。調査に参加した水中写真家の大方洋二さん(73)は、「何十年も潜って一番驚いた発見」と喜んでいる。