福田歓一『近代民主主義とその展望』を読む。 確かに、繰り返し読みたくなる名著。 近代の民主主義を押さえる上での基本文献の一つ。 興味深いと思ったところを。 近代民主主義の起源と、自由と平等の関係について。 二つは背反していると思われがちだが、必ずしもそうではない歴史を持つ。 近代の民主主義の特徴とは、「一切の権力に先立つ個人の自由」(113頁)。 身分も、所得も、宗教も、性別も関わりなく、自らの権利を主張することができること、これが特徴。 これは、政治社会に先立つ人間の生まれながらの権利、つまり自然権と呼ばれるもの。 こういった権利が生誕したのは、一七世紀におけるイングランドの革命のときであり、基本的なモデルは、国教制度に反抗するピューリタンたちの信教の自由、内面の自由、良心の自由の主張だった。 (もっと起源を遡れば、ルターの宗教改革にまで届きうる) こうした近代の自由とは、古代における自