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ブックマーク / empirestar.hatenadiary.org (3)

  • 不定期エスパー1 - 書物の帝国 Annex

    眉村卓『不定期エスパー1 <護衛員イシター・ロウ>』(徳間文庫) 全八巻からなる壮大なSF巨篇。先日ようやくの墓場から発掘して読み始めたら面白い面白い。僕は眉村卓という作家は経済学における新制度学派(ノーベル経済学賞を受賞しているロナルド・コースやオリバー・ウィリアムソン)的な感覚を自然と身につけている人だと感じている。ここで制度(Institution)とは、社会におけるゲームのルールであり、社会が人間同士の相互作用のために設けるルールであり、われわれの行動にパターンを与えることにより、人間同士の相互作用に関しての不確実性を取り除くものする。制度の構成要素はフォーマルなルール、インフォーマルなルール、ルールの執行の3つの要素からなり、ふつうは政治的な制度がほかの制度をどのように設定するのかという「制度設計」の問題にある。また組織(organization)とは、ある目的のために結成され

    不定期エスパー1 - 書物の帝国 Annex
  • 幻影の構成 - 書物の帝国 Annex

    眉村卓『幻影の構成』(ハルキ文庫) 『幻影の構成』にはハヤカワ文庫JA版、角川文庫版などいくつかのバージョンがあるが、最後に出たハルキ文庫版を読む。発表された当初の時代背景や問題認識とは異なり、現代のコンテクストで読み直せるSFである。小説はイミジェックスというシステムによってコントロールされている世界の中で、制度(システム)と個、個と管理体制の在り方についての物語として読むことができる。過去眉村作品をいくつか読んできたが、書はイミジェックスによる広告やシグナルによって偏向させられた消費者たちが、欲望の赴くままに自分の予算制約を考えないまま(借金をして)過剰な消費活動を行っている。つまり独占企業群によるサブリミナルによる強制需要喚起メカニズムにより、第八都市の中で人々はイミジェックスによってコントロールされている世界である。そんな中、一般市民だった主人公のラグ・サードは強靭な意志により

    幻影の構成 - 書物の帝国 Annex
    lotus3000
    lotus3000 2014/10/27
    眉村卓「幻影の構成」の書評。前読んだ時には、眉村卓の経済学的知見がここまで隠されているとは思わなかった。
  • EXPO '87 - 書物の帝国 Annex

    眉村卓『EXPO '87』(角川文庫) <不定期エスパー>シリーズはどこかにあるのは知っているのだが、出てこないのでしばらく角川文庫から出ていた眉村卓を読むことにした。さて、書は400ページほどある長編で、眉村卓の初期の長編である。東海道地域で行われる万博を巡る企業間の戦いを主軸においた管理社会の物語。陳腐化した技術はあれど、メインのアイディアは複雑化した現代日の状況を俯瞰する上でも示唆的である。資主義の競争原理により、日社会の再構築が行われた後に訪れた究極の産業管理社会の在り方というのを悪夢的な形で読者に提示する。 改めて読んでいて感じたのは、<司政官>シリーズの萌芽となるスーパーエリート、産業士官たちの存在である。彼らはロボット官僚の如く優秀で、最大限の最大幸福を望む政策を行う施政者として登場する。彼らは幼少のころから徹底したエリート教育を受けたインテリジェントチームであり、個

    EXPO '87 - 書物の帝国 Annex
    lotus3000
    lotus3000 2010/09/30
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