日本映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 「この出来事はガイジンでなければ語れない」 ヴィセンテ・アモリン監督が第二次世界大戦直後のブラジル日系人社会について取材した際、日系移民の子孫の多くがこう云ったそうだ。 アモリン監督は、『汚れた心(けがれたこころ)』の公式サイトに寄せたメッセージでこのことを紹介し、「これは、この作品を作る上で肝となる言葉でした」と述べている。 この言葉には、私も考え込まざるを得なかった。 おそらくこれこそが、私たち日本人が映画『汚れた心』を必要とする理由である。 すでにブラジル人である日系移民の子孫が云う「ガイジン」とは誰だろうか。 国籍だけを論じるのなら、ブラジル国民の彼らにとっては、ブラジル外の国の人が「ガイジン」だ。この論法なら日本人も「ガイ