2015-02-18 土管 知ったかぶりはよくないなと知りつつも、やってしまうことがよくある。といっても知識がないのに語ってしまったり、勘違いして覚えていたりといった無自覚的なものだけど、気をつけようとは思ってきた。 だけど今日、僕はとてつもない知ったかぶりをしていることに気づいてしまったのだ。 何の前触れもなく、それはやってきた。 発作のように頭を支配し、冷静ではいられなくなった。思わず、走っていた車を路肩に寄せる。ハンドルに額をつけて荒く息を吐く。急に鳴りだした携帯電話にハッとし、着信が妻からだとわかってホッと息をついた。(本当は車も持っていないし妻もいないので、がんばろうと思う) 電話に出ながらも、頭のなかにはさっき沸いてきた言葉が重たい石のようにのっかかっている。自分自身に問いかけるように反芻した。 ――いままで土管を見たことがないのではないか。 ずっと土管のことを知ったかぶりして