認知症の一種であるアルツハイマー病の初期に失われた記憶を、脳の神経細胞を働かせて取り戻すことにマウスで成功したと、理化学研究所の利根川進・脳科学総合研究センター長らのチームが16日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。 アルツハイマー病の初期症状の「物忘れ」が生じる仕組みの解明につながる成果。利根川氏は「患者は記憶を正しく形成できないのではなく、思い出せないだけかもしれない」と話している。
オランダには認知症の患者たちが適切なケアを受けながら「普通の生活」を送る村がある。食料雑貨店や、劇場やレストランや店もあり、患者に自立して生活を送ってもらいながら治療を行なうことを目的に作られた療養施設の村だ。
世界から名詞がどんどん剥がれていく−−。関西地方に住む若年性認知症の会社員の男性(56)が、記憶を失い始めた自身の姿を克明につづった手記を毎日新聞に寄せた。症状が進む自らの感覚を冷静に見つめ、忘れることの痛みや苦しみを率直に描いている。男性は「認知症になるとつらい気持ちも分からなくなると思われがちだが、記憶を失いもがき苦しんでいることを理解してほしい」と訴えている。【山崎友記子】 ◇忘却、もがく日々…スマホにメモ、記憶再現 <世の中は名詞で埋まります。「認知症」と突然、医師から告げられて、後から私は認知症になりました。(中略)ただの記憶の忘却がその瞬間に「認知症」という重い病の雨になって降り注いできました> 認知症と診断されたのは昨年5月。物忘れがひどくなったのを機に脳神経外科を受診すると、いくつかのテストの後に、医師から認知症と告げられた。 <「薬を出します」と雷鳴が鳴り響き、踏
東武東上線川越駅近くの踏切で、伊藤敦子さんは右奥から手前に渡ろうとして電車にはねられ亡くなった=松下英志撮影 在宅介護に取り組み家族を失った各地の遺族が、予期せぬ賠償請求に直面している。認知症の人の鉄道事故。予防や安全対策が追いつかない中、遺族の監督責任だけが問われる事態に、「できるだけ住み慣れた地域で」という国の認知症施策は課題を突きつけられている。【銭場裕司、山田泰蔵、松下英志】 2012年3月6日夕、埼玉県川越市の伊藤貞二(ていじ)さん(78)宅に近くに住む長女(44)が立ち寄り、首をかしげた。「お母さんは?」 「寝ているだろ」。伊藤さんはそう答えて隣室の寝床をのぞいたが、妻敦子さん(当時75歳)の姿はない。悪い予感がした。まだ肌寒いのにコートは置かれ、必ず身に着けさせていたGPS(全地球測位システム)付きの携帯電話や名前と連絡先を書いた「迷子札」も布団に残っていた。 予感は当たって
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