東日本大震災から4年。「復興」をキーワードに生まれた様々なプロジェクトや取り組みでその役目を終えつつあるものもあるなか、一際異彩を放ち、規模を年々拡大しながら魅力的な場づくりに成功しているのが「いわき万本桜プロジェクト」だ。世界屈指の現代アーティスト・蔡國強(さい・こっきょう)が関わることで知られるこのプロジェクトがなぜ多くの人を魅了し、ファンを増やし続けているのか。代表の志賀忠重(しが・ただしげ)さんを訪ねた。 桜の植樹と、うまいカレーライスに誘われて 2015年2月21日に行われた植樹の一場面。植樹する場所に行くにはちょっとした山登りをしなければならない。この日の植樹にはスタッフ含め約20人が参加した【撮影:初沢亜利】 2015年2月21日。重苦しい灰色の曇り空の下、私はスコップを何度も地面に突き立てながら、山の土を掘り返していた。いわき駅から車で15分、神谷(かべや)地区にある里山で