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ブックマーク / academist-cf.com (18)

  • 南関東ガス田の地下水に存在する「メタン生成アーキア」、大半は生きた状態で存在していた

    メタン生成アーキアとは? メタンという分子は、現代社会を支えている燃料資源である一方、二酸化炭素の約25倍という強力な温室効果ガスでもあります。メタンは主に、地熱によって有機物が分解されることで生産される「熱分解起源」と、微生物が有機物を分解することによって生産される「微生物起源」の2つの作用によって生産されます。このうち、微生物起源のメタンは、地球全体で放出されるメタンの69%を占めるとされています。 メタンを生産する微生物は「メタン生成アーキア」と呼ばれるアーキア(古細菌)に分類される嫌気性微生物であり、水田や家畜の胃袋などの身近な場所から海底下の深部地下圏など幅広い環境に生息しています。メタン生成アーキアは種類によって異なる基質(メタンの元になる材料)を利用することが知られています。現在までに、二酸化炭素還元型・メチル基栄養型・酢酸発酵型の3つの経路がわかっていますが、近年では石油な

    南関東ガス田の地下水に存在する「メタン生成アーキア」、大半は生きた状態で存在していた
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    naqtn 2021/11/25
  • ゲノムが膜で包まれた常識外れのバクテリア – 最先端の顕微鏡で鮮やかにとらえた膜構造

    微生物のマジョリティは「培養できない菌」という未知の領域 「原核生物」はバクテリアやアーキアと呼ばれる微生物の仲間です。肉眼で見ることができないため馴染みの薄い存在ですが、その種類と存在量はもう一方の生物群である「真核生物」(動物、植物、菌類、原生生物)よりも多いと推定されています。ところが、性質や実物の写真などを記載してカタログ化すると、上記5つのグループのなかで最も薄い図鑑になってしまうのは原核生物です。善玉・悪玉菌と呼ばれる乳酸菌や大腸菌などのように、性質がよく知られている菌は原核生物全体でみるとごくわずかしかいません。 ある菌種の性質を知るためには、他の菌から完全に分離して人工的に培養し増殖させる必要があります。大まかに見積もって全原核生物の99%は人工的に培養することができない「未培養」の菌のため、性質が未知なのです。 1千万種は下らないといわれている原核生物の大多数が未知のまま

    ゲノムが膜で包まれた常識外れのバクテリア – 最先端の顕微鏡で鮮やかにとらえた膜構造
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    naqtn 2021/08/15
  • トリのクチバシの角質部はサンドイッチ構造をしていた!

    クチバシってどんな動物が持っているどんな器官? クチバシとは、固い角質の鞘(さや)で口の骨を覆っている器官です。現生動物ではトリとカメがクチバシを持っており、摂に使用しているほか、人間の手のように物を掴んだり毛繕いしたりすることに使っています。また、クチバシにはさまざまな形態があり、それに応じて機能も多岐に渡っているため、クチバシを持つ動物の性や行動生態を考察する際に、クチバシの形態や機能に注目することは非常に重要です。 そしてこのクチバシ、実は現生動物だけではなく、トリケラトプス(恐竜)やプテラノドン(翼竜)など一部の絶滅動物も持っていたと考えられています。絶滅動物にとってもクチバシは非常に重要な器官であったことが予想されるため、彼らの生活の様子を復元するためには、彼らのクチバシの形態と機能を正しく把握することが必要です。 しかし、化石になる過程で角質は分解されてなくなってしまうこと

    トリのクチバシの角質部はサンドイッチ構造をしていた!
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    naqtn 2021/05/17
  • 巨大ウイルスの祖先が、私たち真核生物に細胞核をもたらしたのかもしれない

    真核生物はどう生まれたのか? 私たちのように、細胞の中に細胞核がある生物を「真核生物」といいますが、もともとは細胞核のない「原核生物」(今でいうバクテリアのような生物)から進化したものです。ところが、真核生物がどのように進化したのかについては、わかっている部分もありますが、わかっていない部分もあります。 わかっている部分というのは、たとえば真核生物の細胞内にある細胞小器官ミトコンドリアと葉緑体が、それぞれある種の原核生物(バクテリアの一種)が共生し、やがて進化して誕生したというもので、細胞内共生説という名で呼ばれています。わかっているというより、多くの生物学者が認めている考え方である、と言ったほうがいいでしょう。 一方、わかっていない部分というのは、真核生物の名の由来でもある「真の核」、すなわち細胞核がどのようにして誕生したのかということです。真核生物の最も重要な特徴であるはずの細胞核がど

    巨大ウイルスの祖先が、私たち真核生物に細胞核をもたらしたのかもしれない
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    naqtn 2021/01/13
  • 動物はいつから眠るようになったのか? – 脳のないヒドラから睡眠の起源を探る

    脳があるから眠るのか? 睡眠は私たちにとって欠かすことのできない生理現象のひとつです。生物は睡眠をとることで、身体を休養させ、心身のメンテナンスを行っています。睡眠不足になると、疲労が溜まり、考えがまとまらなくなるといった体力や集中力の低下が起こります。 睡眠はヒトをはじめとする高等哺乳動物にのみ与えられた生理現象ではありません。爬虫類や魚類などの脊椎動物にくわえ、ショウジョウバエなどいわゆる下等動物にすらその存在が確認されています。では、動物の睡眠の起源は一体どこまで遡れるのでしょうか? 睡眠の起源を遡るうえで重要なキーワードがあります。それは「脳」です。睡眠は脳によって制御され、脳機能の維持や安定性に深く関わっていることが、多くの研究結果からわかっています。言い換えると、睡眠と脳は密接に関与しているため、お互いに切り離せない関係性になっています。 一方で、脳は動物の進化過程で獲得された

    動物はいつから眠るようになったのか? – 脳のないヒドラから睡眠の起源を探る
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    naqtn 2021/01/10
  • 瞬時に良いものを見つける”視覚探索スキル”の脳内メカニズムとは? – サルの行動実験と神経回路から探る

    瞬時に良いものを見つける”視覚探索スキル”の脳内メカニズムとは? – サルの行動実験と神経回路から探る 視覚探索スキルとは? 私たちは生涯を通じてさまざまなスキルを獲得します。スキルには、歩行、手指の使い方、文字の識別といった基的なものから、スポーツ、楽器の演奏、言語習得といった複雑なものまであります。これらに共通しているのは、何度も練習を重ねるうちに上達し、自然に判断や行動ができるようになる点です。そして、いったん獲得したスキルは数年経っても忘れることがありません。 私たちはさまざまなスキルを獲得する この驚異的な能力を、脳はどのようにして身につけることができるのでしょうか? 今回の研究で特に注目したのは、視覚探索スキルです。視覚探索スキルとは、膨大な視覚情報のなかから適切なターゲットを見つけるスキルです。 たとえば、サルは森の中から熟したおいしい果実を見つけることができます。青い果実

    瞬時に良いものを見つける”視覚探索スキル”の脳内メカニズムとは? – サルの行動実験と神経回路から探る
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    naqtn 2021/01/09
  • カタツムリが語る森の歴史 – 北海道黒松内町のブナ林に残された、100年前の森林伐採の影響

    現在は過去の上に 我々が生きる現在・未来は、過去の出来事を礎に成り立っています。壊滅したアイヌ文化のその先を見ることができぬように、絶滅したニホンオオカミの生態を二度と観ることができぬように、過去は現在を縛る枷といえるでしょう。 海外に留学中の身の上である私が、未だにを履いたまま他所の家に上がるのに抵抗を覚るのも、わざわざ日から持ち込んだ愛用の電気機器を許容電圧の確認もせずに使用して爆発させたりするのも、これまでに経た過去の経験や環境を私が今も引きずって生きているからといえます。 我々の生きるこの世界を意識して見渡せば、人類の社会構造のほか、生きものや自然環境、いうなればこの世界そのものが、すべて過去の上に現在の姿を見せていることに気づくはずです。 過去は森林の底に もちろん森林の生態系もその例に漏れません。たとえば、一見手付かずに見える日の森林も、そのほとんどが長い歴史のなかで、我

    カタツムリが語る森の歴史 – 北海道黒松内町のブナ林に残された、100年前の森林伐採の影響
  • 「ナノ物質の周期表」の誕生 – 幾何学的対称性から生まれた新たな理論モデル

    原子の物理的・化学的な性質は元素によってさまざまに変化しますが、完全にばらばらなわけではなく、原子番号(原子核に含まれる陽子の数)に従ってある一定の周期で変化することが知られています。この周期に沿って元素を並べたものが「元素周期表」で、1869年にロシアの化学者、ドミトリ・メンデレーエフにより提案されて以来、元素の性質を予測したり、未発見の元素を探索したりするのに大きな役割を果たしてきました。 2016年には、理化学研究所により原子番号113の「ニホニウム」が合成され、日初の新元素発見として大きなニュースになりました。現在では118種類もの元素が表の中に並び、今もなお新しい元素を発見する試みが続けられています。2019年は、この「元素周期表」の発見から150周年の記念すべき年にあたり、UNESCOにより「国際周期表年(IYPT2019)」として宣言されました。 このように、自然科学の発展

    「ナノ物質の周期表」の誕生 – 幾何学的対称性から生まれた新たな理論モデル
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    naqtn 2020/08/19
  • サンゴの大規模白化によって魚類生態系サービスの経済価値はどう変化したか? – 日本最大のサンゴ礁・石西礁湖での危機

    サンゴの大規模白化によって魚類生態系サービスの経済価値はどう変化したか? – 日最大のサンゴ礁・石西礁湖での危機 生態系から人への自然の恵み「生態系サービス」の経済価値 美しい自然の風景やそこでのレジャー体験、美味しい海や山の幸が取れる自然環境に、いくらの価値があるのでしょうか。これまで自然の価値はお金には代えられないと、その価値が十分に認識されてきませんでした。そのため、経済成長や人間活動の優先により、自然環境は人為的な影響を大きく受けてきました。 近年、生態系(自然環境と生物の集まり)から人への自然の恵みは「生態系サービス」と呼ばれるようになり、そのサービスの数値化や経済価値の評価が始まりました。そして、国内においても生態系の持続的利用につながる政策立案や企業活動に向けて、経済的側面からの生態系サービスの評価が進められています。 どのようにしてサンゴ礁魚類の生態系サービスを評価するか

    サンゴの大規模白化によって魚類生態系サービスの経済価値はどう変化したか? – 日本最大のサンゴ礁・石西礁湖での危機
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    naqtn 2020/03/11
  • 日本で発見された新種の珍渦虫「Xenoturbella japonica」 – 謎多き海生生物の研究を進めるために

    脳や肛門を持たない海の生きもの「珍渦虫」 珍渦虫(ちんうずむし)は海底にすむ海産無脊椎動物で、脳などの中枢神経系、眼、肛門、循環器官、生殖器官を持たない構造をしています。この構造があまりに単純であるため、他のどの動物と近縁なのか判定することが困難で、長いあいだ珍渦虫は系統樹上を彷徨い続けました。分子系統学的解析が可能になった現在でもその系統学的位置は決着がついておらず、左右相称動物の基部で分岐した動物なのか、新口動物の一員なのかで未だに論争が続いています。しかし、珍渦虫の単純な体が左右相称動物や新口動物の祖先の構造の単純さを保持しているのではないかとも考えられており、珍渦虫の研究から左右相称動物、または新口動物の起源と進化に関する新たな知見が得られることが期待されています。 このように進化学的に重要な動物ですが、珍渦虫の研究はあまり進んでおらず、上述のように系統学的位置もわかっていません。

    日本で発見された新種の珍渦虫「Xenoturbella japonica」 – 謎多き海生生物の研究を進めるために
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    naqtn 2019/07/22
  • 細胞の自爆で体内に結晶ができる? – アレルギーでみられる「シャルコー・ライデン結晶」のできる仕組みを解明! – academist Journal

    細胞の自爆で体内に結晶ができる? – アレルギーでみられる「シャルコー・ライデン結晶」のできる仕組みを解明! シャルコー・ライデン結晶とは? 19世紀、日では黒船来航で大騒ぎになっていた頃のことです。顕微鏡を使って解剖病理学を研究していたフランスのシャルコー教授は、病気の患者さんの体から、細長いひし形の小さな結晶を発見しました。その後ドイツのライデン教授も、喘息の患者さんの痰の中に同様の結晶を確認しました。 これは現在、シャルコー・ライデン結晶と呼ばれており、痰だけでなく、鼻水、便、尿、胸水(胸腔に溜まる液)、そのほか体のさまざまな部位で見つかることがあります。健康な人にできることはなく、喘息などのアレルギー疾患、寄生虫感染などに伴って現れることから、医師のあいだでは、シャルコー・ライデン結晶はこのような病気の特徴として知られてきました。体内で結晶ができるのは人体にとって異常なことのはず

    細胞の自爆で体内に結晶ができる? – アレルギーでみられる「シャルコー・ライデン結晶」のできる仕組みを解明! – academist Journal
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    naqtn 2019/05/23
    "イラストは好酸球くん(オリジナルキャラクター) "w
  • 摩擦って何? – 地球科学の疑問を解くカギは、原子レベルの凸凹だった!

    地震と粘土鉱物 地球表面の岩板はプレートと呼ばれ、長い時間をかけて移動しています。プレート同士がぶつかり、すれ違う場所では、破壊や摩擦が起こるため地震が発生します。どのくらいの規模の地震が発生するかは、場所によって異なります。 たとえば、アメリカのサンアンドレアス断層では、規模の大きな地震が発生する場所と、大きな地震がほとんど発生せずにすべっている場所があります。最近の研究では、このように大きな地震が発生しない断層の原因のひとつが、「粘土鉱物」の存在によると考えられています。 粘土鉱物は摩擦が小さい なぜ粘土鉱物が存在すると大きな地震が発生しないことがあるのでしょうか? これは、粘土鉱物が存在する場所では、摩擦力が小さいためと考えられます。 摩擦力は荷重(摩擦面と垂直方向にはたらく力)に比例することが知られています。つまり、重いものほど摩擦力が大きくなります。また、直感的には、摩擦面の粗さ

    摩擦って何? – 地球科学の疑問を解くカギは、原子レベルの凸凹だった!
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    naqtn 2019/03/01
  • 原子の対称性を超えるナノ物質を発見!? – 理論化学の最前線

    球よりも対称性の高い四面体 数学や物理学、コンピューターシミュレーションなどを駆使することで、実験室で実験を行うことなく、物質の性質を明らかにする学問のことを理論化学と呼びます。実験で得られるデータを正確に解釈したり、新たな化学現象を予測したりするのに用いられます。 最近、我々の研究グループでは、理論化学的手法を用いて特定の金属元素からなる微小な四面体型クラスターが、球対称の原子よりも高い対称性を持つことを明らかにしました。クラスターとは、数個から数十個の原子が集まってできた極小粒子のことです。これらの物質では、その特別な対称性のおかげで既存物質ではありえないほど、多くのエネルギー状態が重なる「超縮退」と呼ばれる現象が起こります。この超縮退を上手く利用すれば、既存物質の限界を超える電気伝導性や磁気特性を生み出すことも可能になると考えられています。 こう聞くと、「あれだけきれいな形をした球よ

    原子の対称性を超えるナノ物質を発見!? – 理論化学の最前線
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    naqtn 2018/11/05
  • ナメクジの出現を予測する!- 市民科学と最新統計の融合

    外来種問題は突然に 2014年7月某日、札幌市の円山原始林で私が出会ったのは、体長15cmもの巨大な豹柄のナメクジ、マダラコウラナメクジでした。私はそれを知っていました。過去に一度だけ、ドイツ・ドレスデンの森の中で見たことがあったからです。北欧原産のナメクジがどうしてここに? 慣れ親しんだ円山の森に現れた、不似合いな新参者との突然の出会いに、目眩がしました。私の知る北海道の生態系は、これからいったいどうなってしまうのか? 我々ヒトの生活への影響は? 体長15 cmほどのマダラコウラナメクジ 市民のブログが教えてくれた 予期せぬ出会いに衝撃を受けた私は、研究室に戻るや否や、飛びつくように現状を調べ始めました。わかったことは、マダラコウラナメクジが2006年に茨城県で最初に侵入・定着が確認されたということ、さらに2010年には福島県、2012年には長野県にも侵入し勢力を拡大しているということで

    ナメクジの出現を予測する!- 市民科学と最新統計の融合
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    naqtn 2018/06/18
  • 大分県別府湾から過去2800年にわたるマイワシ・カタクチイワシの魚鱗化石を発見!

    これだけ科学が発達している世の中ですが、私たちが普段口にする魚の個体数の長期的な振る舞いについては実はほとんどわかっていません。漁獲量記録でさかのぼれるのは今から110年くらい前からですが、数百年前、数千年前にどのような種がどれだけの数がいたか、科学的な知見は乏しいと言わざるをえません。ここでは、千年を超える連続的な魚の個体数変動記録としては世界で3例目となる大分県別府湾の海底堆積物中の魚鱗の数から復元されたイワシ類の個体数変動記録について紹介します。 世界の料を支えるイワシ類資源 イワシ類は、世界で最も漁獲される魚で、世界の漁獲の6分の1を占め、ペルー・チリ沖、カリフォルニア沖、日沖、アフリカ西岸沖に有数漁場があります。なかでもペルー沖のカタクチイワシは、多いときで年間1200万トンを超える漁獲があり、そのフィッシュミールや冷凍ものが世界中に輸出され、マグロ・ブリ・ハマチなどの養殖魚

    大分県別府湾から過去2800年にわたるマイワシ・カタクチイワシの魚鱗化石を発見!
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    naqtn 2018/05/19
    "イワシ類は世界の食糧を支える魚と言っても過言ではありません。","マイワシの爆発的増加の百年規模の消失が、気候変動によって生じることを強く示唆しています。"
  • ゆりかごから墓場まで – 生物考古学が明らかにする江戸時代のあるおばあさんの一生

    生物考古学の発展 縄文時代や江戸時代など、過去の人びとの暮らしや生死を明らかにする研究分野というと、多くの方々は考古学や歴史学を思い浮かべるのではないでしょうか。そうした分野に加えて、生物考古学 (bioarchaeology)という研究分野があります。遺跡から出土した人骨や動物骨の形態を調べたり、DNAを分析したり、化学分析を実施したりなど、生物学や地球化学の手法を主に利用して、当時の人びとの生死、性、健康状態、集団構造など、考古学や歴史学上の研究課題に答えようとする分野です。 生物考古学の特徴のひとつは、そのアプローチの多様さです。ほかの分野の最先端の分析手法によって得られた知見を、考古学や文献史学の情報と組み合わせることで、従来の研究よりずっと鮮やかに、多方面から、過去の人びとの生き様を復元できるようになります。 今回、私たちは、同位体分析という手法を適用することにより、江戸時代の

    ゆりかごから墓場まで – 生物考古学が明らかにする江戸時代のあるおばあさんの一生
  • 深海に住む悪魔のサメ「ミツクリザメ」- その驚きの捕食方法「パチンコ式摂餌」とは?

    サメの仲間は世界で500余種が知られ、浅海から深海、沿岸から沖合、海底から表層、そしてあるものは淡水域にまで侵入します。彼らは肉性で、無脊椎動物や魚類を捕し、時に哺乳類を襲うサメもいます。 ミツクリザメとはどんなサメ? ミツクリザメは、19世紀に横浜で発見され、大変奇妙な姿形から新科新属新種のサメとして報告されました。その後、深海調査が進むにつれ、世界に広く分布していることが明らかになってきました。 ミツクリザメ a:Jordan(1898)の原図 b:両顎を収納した状態 c:両顎が突出した状態 このミツクリザメは、顎が前方に飛び出し、歯がむき出しになった恐ろしげな容貌と色素を欠いた桃色の体から、欧米では「goblin shark(悪魔のサメ)」の呼称で知られています。日では、長い鼻先(吻)からテングザメなどと呼ばれることもあります。しかし発見から一世紀以上経っても、その生態はほとん

    深海に住む悪魔のサメ「ミツクリザメ」- その驚きの捕食方法「パチンコ式摂餌」とは?
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    naqtn 2017/05/04
    普通な一般向け論文解説を、ふむふむと読んでいたら最後にyoutubeへのリンクでやられた。
  • 「満月の頃に出産数が増える」のは迷信か? – ウシの調査で明らかになったこと

    古くからの言い伝えは根拠のない迷信であることが多いものですが、一部は真実で、科学的な調査によって裏付けられ、再認識されることもあります。この文章では、「満月の頃に出産数が増える」という言い伝えを真に受けた筆者の研究成果をご紹介したいと思います。 「満月の頃に出産数が増える」という言い伝え 出産を控えて期待と不安でいっぱいの新しいママ・パパにとって、おなかの赤ちゃんがいつ生まれてくるかはとても気になるものです。そんな彼らに、産婦人科の先生や助産師さんたちは「満月の頃に出産数が増える」という昔からの言い伝えをよく口にします。筆者も自分の子供が生まれようとしているときに、病院でこの話を聞きました。「30年にわたる私の看護人生を振り返って、満月の頃に子供が多く産まれるのは間違いない」と老練な看護師さんに豪語され、半信半疑になったものでした。あいにく、筆者の息子は満月に合わせて生まれるということはな

    「満月の頃に出産数が増える」のは迷信か? – ウシの調査で明らかになったこと
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    naqtn 2017/02/19
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