国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏)と株式会社タカラトミー(代表取締役社長 COO:小島 一洋)、ソニーグループ株式会社(代表執行役 会長 CEO:吉田 憲一郎)、同志社大学(学長 植木 朝子)の4者で共同開発※1した変形型月面ロボット(Lunar Excursion Vehicle 2(LEV-2)、愛称「SORA-Q」、以下「LEV-2」)は、小型月着陸実証機(SLIM、以下「SLIM」)※2の撮影に成功しました。これにより、LEV-2は超小型月面探査ローバ(Lunar Excursion Vehicle 1(LEV-1)、以下「LEV-1」)※3と共に、日本初※4の月面探査ロボットになり、世界初※4の完全自律ロボットによる月面探査、世界初※4の複数ロボットによる同時月面探査を達成しました。さらに、LEV-2は世界最小・最軽量※4の月面探査ロボットとなりました。 LE
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、X線分光撮像衛星(XRISM:クリズム)に搭載された軟X線撮像装置(Xtend:エクステンド(※1))および軟X線分光装置(Resolve:リゾルブ(※1))のファーストライト観測データを公開いたします。 XRISMは初期機能確認運用を実施しており、バス機器の機能確認に引き続き2023年10月7日から観測装置の機能確認と調整をすすめ、Xtend・Resolveともにファーストライト観測運用を行いました。Xtendは、10月14日から10月24日にかけて約7億7000万光年の距離にある銀河団Abell 2319の観測を行いX線画像取得に成功しました(図1)。また、Resolveは、12月4日から11日にかけて大マゼラン星雲にある超新星残骸(星の爆発の痕) N132Dの観測を行い、精細なX線スペクトル(※2)を取得することに成功しました(図2
【本学研究者情報】 〇大学院理学研究科 附属地震・噴火予知研究観測センター 准教授 太田雄策(おおた ゆうさく) センターウェブサイト 【概要】 京都大学防災研究所西村卓也教授、金沢大学理工研究域地球社会基盤学系平松良浩教授、東北大学大学院理学研究科太田雄策准教授の研究グループは、GNSS※1データの統合地殻変動解析により、石川県能登半島の北東部で発生している群発地震は大量の流体※2(約2,900万m3)が深さ16km程度まで上昇し、地下の断層帯内を拡散したことにより、断層帯でのスロースリップ※3が誘発され、さらに断層帯浅部での地震活動も誘発されたことが原因と考えられることを示しました。 本研究では、能登半島の既設のGNSS観測点に加えて、京都大学と金沢大学による臨時観測点とソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)による独自基準点のデータを統合解析することによって、最大で7cmの隆起を捉
ツクツクボウシの鳴き声のパターンが途中で変化するという現象は、世界的に⾒ても極めて珍しいが、途中で変化する鳴き声の⾏動⽣態学的意義については不明であった。 ツクツクボウシのオスに「オーシンツクツク」パートと「ツクリヨーシ」パートを単独で聞かせた時、それぞれのパートに対する応答の頻度が異なることを⾒出し、これらのパートがオスの異なる反応を誘発することを初めて明らかにした。 今後はツクツクボウシにおける⾳声コミュニケーションの実態解明に向け、鳴き声に対するメスの応答や交尾の成功率なども調べていく必要がある。 セミはオスのみが鳴き声を発する動物であり、その鳴き声をオス同⼠の競争やメスに対するアピールに⽤いていると考えられています。この中でもツクツクボウシというセミは、その鳴き声のパターンが「オーシンツクツク」から「ツクリヨーシ」へと途中で変化するという、極めて珍しい特性を持っています。⼀⽅で、鳴
朝起きたら突然Twitterがメンションでバズっていた。 どうやら自分のVR4.0に関するタクソノミー(分類体系)が英語で引用言及されていたのだけど、ちょっと嬉しかった。 たくさん論文書いてきたので… 。 せっかくなのでここ数年のVR4.0やVRSNSとアバタードリブンなメタバースについての論文をまとめておきます この分野の研究のディスカッションの基盤になれば幸いです。 VR1.0 1960-1980 - early lab R&D era VR2.0 1990s - first commercial wave VR3.0 2010s - Oculus era, app store paradigm VR4.0 2020s - Social VR era, avatar society (taxonomy from @o_ob) pic.twitter.com/l7d0ARoIEd — d
【研究発表】昆虫学の大問題=「昆虫はなぜ海にいないのか」に関する新仮説https://www.tmu.ac.jp/news/topics/35603.html 1.概要 昆虫は記載種だけでも100万種を超えるほどの多様性を誇り、地球で最も繁栄している生物ともいわれています。翅を持つ利点などを活かし、陸上ではあらゆる環境へと適応している昆虫ですが、海洋環境に適応している種の数は非常に少なく、この理由について在野の昆虫愛好家を交えた議論が長らく続いています。本研究は、節足動物である昆虫にとって重要な体構造である外骨格に着目し、それが硬くなるために用いられるメカニズムに関連づけ「昆虫が海にほとんどいない」理由の説明を試みています。外骨格を硬くする過程で、昆虫は酸素分子を補因子とする化学反応を必要としますが、水中は陸上(空気中)と比較し、30分の1しか酸素が含まれておらず、これが水への進出に際して
<NASAのエイムズ研究センターらの研究チームは、スーパーコンピューターで高解像度シミュレーションを行い、「原始地球と巨大な天体テイアが衝突した後、わずか数時間のうちに月が形成された可能性がある」との研究論文を発表した......> NASA(アメリカ航空宇宙局)の「アポロ11号」が1969年7月のミッションで月から地球に持ち帰った岩石や塵の試料は約45億年前のものであった。月は太陽系の形成から約1億5000万年後の激動の時代に形成されたとみられる。 ジャイアント・インパクトはどのように行われたのか 月の起源については、約45億年前に火星くらいの大きさの天体「テイア」と原始地球が衝突し、周囲に拡散した破片が集まって月が形成されたとする「ジャイアント・インパクト説(巨大衝突説)」が有力だと考えられてきたが、この衝突がどのように行われたのかについては議論がある。 「原始地球に衝突したテイアがそ
遅ればせながらあけましておめでとうございます。旧正月が明けてしまいました。 年末にブログをあげようと書いていた原稿が、子供に抹消されました。 もう3歳半になり、いろんなことができるようになってきます。 バックアップまで綺麗に消されました。 2020年のことになりますが、12月にクシクラゲの論文が出ました。 この論文では、生物発光の分野において、最大の謎とであるセレンテラジンの生合成経路を解明するためのブレイクスルーにつながる点で評価されてCell系列のオープンアクセス誌iScienceに掲載されました。(Bessho-Uehara et al. 2020) ・深海の生物発光の鍵分子 セレンテラジン 発光反応はルシフェリンとルシフェラーゼによる酵素反応によって生み出されます。多くの生物は発光能力を独立に進化させたため、ルシフェリン分子やルシフェラーゼ遺伝子の構造は全く異なるものだと考えられま
OBJECTIVE. 立教大学(東京都豊島区、総長:西原廉太)の村田次郎理学部教授は、カーリング競技で用いられるカーリング石が「反時計回りに回転させると、進行方向に向かって左側に曲がっていくのはなぜか」という、98年間にわたって科学者の間で真っ向から対立する仮説に基づく議論が繰り広げられてきた「世紀の謎」を、精密な画像解析によって実験的に解決することに初めて成功しました。 私たちの4次元時空を超える5次元以上の「余剰次元」の探索実験の為に開発した画像処理型変位計測技術を応用する事で、ミクロン精度でカーリング石の運動を精密観測した結果、中心からずれた点での摩擦支点を中心に石の重心が振られる、旋廻現象によって偏向が起きる事、そして速さが遅いほど摩擦が強まるという、通常は一定と考える動摩擦係数が実際には速度依存性を持つ性質により、氷に対する速さが異なる左側と右側とで、非対称な頻度で旋廻が生じると
太陽電池と組み合わせることで、光合成を利用せず、光合成より4倍も効率的な植物栽培法が開発されたよ。リプで解説するね! Elizabeth C. Hann, et al. "A hybrid inorganic–biologica… https://t.co/M5l2iXCMjH
マングローブで発見された細菌「チオマルガリータ・マグニフィカ(T.マグニフィカ)」/Olivier Gros (CNN) 顕微鏡を使わなくても肉眼で見える巨大な細菌が発見されたとして、米国の研究チームが23日の科学誌サイエンスに論文を発表した。 巨大細菌はカリブ海の小アンティル諸島にあるフランス領グアドループで発見。人のまつ毛ほどの大きさがあり、形状もまつ毛に似ているという。 その大きさにちなんで「チオマルガリータ・マグニフィカ(T.マグニフィカ)」と命名された細菌は、細胞の長さが平均で、1センチ近い9000マイクロメートル以上もあった。大きなものは2センチに成長することもある。 一般的な細菌の細胞の長さは2マイクロメートル前後で、長くても750マイクロメートルにとどまる。 論文の共著者で、米エネルギー省関連研究所の研究者ジャンマリー・ボーランド氏は22日、「この細菌がどれほど巨大かを人間
メタン生成アーキアとは? メタンという分子は、現代社会を支えている燃料資源である一方、二酸化炭素の約25倍という強力な温室効果ガスでもあります。メタンは主に、地熱によって有機物が分解されることで生産される「熱分解起源」と、微生物が有機物を分解することによって生産される「微生物起源」の2つの作用によって生産されます。このうち、微生物起源のメタンは、地球全体で放出されるメタンの69%を占めるとされています。 メタンを生産する微生物は「メタン生成アーキア」と呼ばれるアーキア(古細菌)に分類される嫌気性微生物であり、水田や家畜の胃袋などの身近な場所から海底下の深部地下圏など幅広い環境に生息しています。メタン生成アーキアは種類によって異なる基質(メタンの元になる材料)を利用することが知られています。現在までに、二酸化炭素還元型・メチル基栄養型・酢酸発酵型の3つの経路がわかっていますが、近年では石油な
歴史言語学についてはまったくの素人だけど、最近話題になった「日本語の原郷は「中国東北部の農耕民」 国際研究チームが発表 | 毎日新聞」(はてブ)っていう記事の元になったロベーツらの論文(Robbeets et al. 2021)を読んでみたよ! 結論うさんくさい 前提知識共通の祖先を持つことが証明された言語の集団を「語族」という日本語は琉球諸語と共通の祖先を持つことが明らかである(日琉語族;Japonic)しかし日琉語族と他の言語との系統関係は証明されていない内陸アジアのテュルク語族、モンゴル語族、ツングース語族、そして欧州のウラル語族は特徴が似ているかつて、テュルク・モンゴル・ツングース・ウラル・日琉・朝鮮の諸語族が「ウラル・アルタイ語族」に属するという説があったが、結局誰もこれらの諸言語が共通の祖先を持つという証明ができなかった今回の論文は、テュルク・モンゴル・ツングース・日琉・朝鮮諸
ニューロンの起源は腸のようです。 ドイツにあるヨーロッパ分子生物学研究所(EMBL)で行われた研究によれば、脳を構成するニューロンの起源は、消化システムの制御を行う細胞であった可能性が高い、とのこと。 近年では腸にもニューロンがあり、脳との関係の深さから「腸は第2の脳」と言われるようになりましたが、逆でした。 研究によれば、ニューロンの原形となる細胞は最初に消化システムで誕生し、後に脳に転用されるようになったようです。 つまり順番にこだわるならば、腸は第2の脳ではなくむしろ、脳が第2の腸ということになります。 しかし、研究者たちはこの常識を引っくり返すような結論を、いかにして導き出したのでしょうか? 研究内容の詳細は11月4日に『Science』に掲載されました。
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