「分析美学におまかせ!」シリーズ(いま考えた)、今回は「即興(improvisation)」です。 ノープランで、とっさに何かをやる技法。とりわけ音楽において用いられることの多い「即興」だが、古典的な音楽哲学ではいまいち扱いにくい、というのが今回のポイント。 そんな「即興」をなんとか記述/説明しようという論者たちによって、「即興の哲学」とも呼ぶべきフィールドが形成されている。 今回読んできたのは、アイリ・ブレスナハンによる「芸術における即興」(2015)。 著者はデイトン大学で助教授をされている女性美学者。こちらは、イケてるサーヴェイ論文が豊富なことで有名なPhilosophy Compassに掲載された論文。 英米美学における「即興」研究といえば、ほとんどがジャズ研究だが、ブレスナハンはこれを様々な個別芸術(とりわけ著者の専門?であるダンス)に広げようとしている。 構成としては、第1節、