フランスの人類学者(*) マルセル・モースによる 『贈与論』は、言わずと知れた人類学史上の名作中の名作の1つである。(*モースを社会学者とする場合もあります) その中に”男性の持つ生来の「支配的傾向」”(ちくま学芸文庫:p261)という一節が登場するのだが、これは邦訳の場合。 英訳を見ると、この箇所は”‘basic imperialism’ of human beings”(Translated by W.D.Halls)と訳されている。つまり、「男性」ではなく「人間」と訳されているのだ。 「だったら原文はどうなのよ」ということで、仏語は全然読めないのに仏語の原著を見てみる。するとそこには”hommes”とある。 「おいおい、これは”men”が人間になったり、男になったりするのと同じやつ?」と思い、辞書を引いてみるとどうやらそうらしい。 ということで、フランス語ネイティヴの友人に見てもらう