フィンランド・アールト大学は1月11日、実際に動作する「マクスウェルの悪魔」を回路上に製作したと発表した。 マクスウェルの悪魔とは、1867年にジェームズ・クラーク・マクスウェルた提唱した思考実験。2つに仕切られた容器の中で、仕切りに開いた穴にいる「悪魔」が右から来る温度の高い粒子だけ/左から温度の低い粒子だけを通すように働けば、熱力学的な仕事なしに温度差を作り出せる。 これは熱力学第二法則に反しており、エントロピーが減少する(原理的には必ず増大する)ことになるというパラドックス。現在では情報の受け渡し(粒子の温度を悪魔が見るという行為)があるため、熱と情報を並べて扱えばエントロピーの減少にはあたらないとされている。 あくまで思考実験であり、実際に実験を行なって確認するような理論ではなかったが、アールト大学の研究者は極低温の超伝導材料を用いたトランジスタを利用し、電荷によってゲートを開け閉
「何年も前に、私たち物理学者はムーアの法則が終わると予想していました。一方で、分子コンピュータや素粒子コンピュータといった新しいコンピュータが登場すると考えられています。問題は、それがいつかということです」 著名な理論物理学者のミチオ・カク博士は、先日公開されたBigThinkのビデオでムーアの法則の終焉と、その先のコンピュータについて語っています。カク博士は、10年程度でムーアの法則は終わり、次は分子コンピュータだと予想しています。 シリコンの次は分子コンピュータ、そして量子コンピュータ カク博士は、ムーアの法則が熱と量子力学的な微細化の限界に近づきつつあると説明します。現在のプロセッサの回路は原子20個分の幅しかなく、これが5個になると、熱によってチップが溶ける、あるいは量子論に支配されて電子の位置が決定できなくなり、電子が回路の中にあるのか、外にあるのか分からなくなるため、シリコンに
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