何が君の幸せか? それは、何を知って喜ぶかによる。知ることは、世界を拡げること。この喜びを分からないまま終わる、そんなのは嫌だ。 本書は、科学の世界を歩くためのブックレビューだ。第一線の30人が選んだ100冊は、眺めるだけで見晴らしが良くなる。まずは、パラパラしながら興味を惹いた本を選んだ「人」を探そう。その人こそが、世界を広げ、知る喜びの先達になる(本を介して、人を探す)。 ありがちな、「さわりを解説してお茶をにごす」タイプではなく、「なぜこれを選んだのか」について、その本との関わりも含め赤裸々に語りかけてくる。科学に対し、無味乾燥な数式や研究というイメージを抱いて読んだなら、「知りたい」という熱い思いと、「どうやって伝えよう」というもどかしい思いに揉まれるだろう。 たとえば、講談社ブルーバックスの編集会議。7名の編集者が月1に集まる企画会議なのだが、そこで「通す/通さない」を決めるのは