科学の発展においてもVRの研究は大きな意味を持つと期待されている。医療、教育、製造、観光、娯楽など、さまざまな分野における仮想体験を可能にするVRは、人工知能(AI)やブロックチェーン、量子コンピューターなどと並び、今後の文明の発展に大きく影響するだろう。 VRは脳科学の研究でも従来から用いられてきた。そして、霊長類以外のマウスやラットなどの小動物でもVRを認識できることが、近年明らかになってきている。たとえば、アメリカ・コーネル大学の研究所Schaffer-Nishimura Labは、実験用マウスが装着することを想定したVRヘッドセット「mouseVRheadset」を制作した。VRを小動物に体験させ行動を研究することで、人の意思決定や社会交流に関する脳のメカニズムを明らかにするヒントが得られるかもしれない。 マウス用の小型VR「mouseVRheadset」 Schaffer-Nis