九州新幹線全線開業にあわせたJR熊本駅周辺整備事業で、熊本市電の熊本駅前―田崎橋電停間の軌道を道路から駅舎側に寄せる工事が終わり、26日の始発から運用が始まった。観光客らが車の多い県道を横断せずに市電に乗れるようにし、利便性や安全性を高めた。周辺整備を含めた総事業費は約10億6千万円。 移設したのは熊本駅前から二本木口、田崎橋電停までの約570メートル区間。軌道や電停を約10〜20メートル西側に移した。移設費用は約8億円。国の補助も含めて県が約6億8千万円、市が約1億2千万円を負担した。県新幹線・熊本駅周辺整備事務所によると、市電の軌道の本格的な移設は全国でも珍しいという。 熊本駅前電停には日差しや雨を避けるコンクリート製の屋根が造られた。「建築界のノーベル賞」と言われるプリツカー賞を受賞した西沢立衛氏の設計。今後は旧電停を撤去したり、バス停留所を熊本駅側に近づけたりする工事をする。