パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が激化する中、独自の中東外交を掲げてきた日本政府は対応に苦慮している。ハマスの攻撃を強く非難しているものの、イスラエルが報復を強めれば、同国を支援する西側諸国に対し、グローバルサウスと呼ばれる途上国・新興国が反発を強めかねない。日本政府は国際社会の分断が進む事態を懸念している。 「ハマスの攻撃により多くの一般市民が犠牲になり大変心を痛めている。日本はこのようなテロ攻撃を断固として非難する」。上川陽子外相は12日、訪問先のタイの首都バンコクでオンライン記者会見に臨み、こう語気を強めた。 岸田文雄首相も8日、「多くの方々が誘拐されたと報じられており、強く非難するとともに早期解放を強く求める」などとネット交流サービス(SNS)に投稿した。今回の攻撃は、一般市民に対して無差別に行われていることから、日本は「強い非難」を繰り返し表