福岡市の県立高校で2011年、柔道の試合で頭を打ち重度の後遺症が残ったとして、当時1年だった男性(22)と両親が福岡県に計約2億6900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、福岡地裁であった。平田直人裁判長は「事故を未然に防止する注意義務に違反した」と過失を認め、県に計約1億2400万円の支払いを命じた。 判決によると、11年3月、校内で開かれた武道大会で、男性はクラス対抗の柔道の試合に出場。同級生と対戦中に転倒して畳で頭部を打ち、頸髄(けいずい)損傷などで四肢まひなどの重度の後遺症が残った。 判決は、前年度の大会でも骨折など2件の事故があったのに、原因分析や予防策を協議した形跡がないと指摘。また生徒らの歓声で盛り上がり、冷静さを欠く試合になって事故が起きる可能性があったとし、「大会固有の危険性を十分に説明し、指導したとは認められない」と結論づけた。 県側は「生徒の安全面に配慮した指導