出生前診断を受けて… 日本で新型出生前診断がスタートしてから五年の間に、約5万8000人がこの診断を受けたとされている。妊娠中の母親の血液から、胎児のダウン症の可能性などを調べる検査だ。 新型出生前診断で胎児の病気がわかった場合、90パーセント以上の夫婦が人工中絶手術を受けることを選んでいる。 実際に出生前診断を受けて人工中絶を選択した高瀬晃子(仮名)は、次のように語った。 「うちは夫婦共働きで、四十歳を越えての出産でした。出生前診断を受けるかどうかは悩みましたが、妊娠できる期間が残り少ないことと、定年まで二十年もないことを考えれば、お互いが納得できる形で出産するに越したことはないだろうと考えたんです」 高瀬夫婦の場合、自分たちで育児ができる期間や経済的負担が限られていることを考慮して、出生前診断を受けることにしたのだ。そして診断の結果、障害のある可能性があると聞いて人工中絶を選んだ。 「