"クライマー事件の概要(2) - 火薬と鋼"→ 地裁判決が出るまでにモリスタウン図書館側は、ホームレスの人権問題ではなく、一利用者の行動の問題であると主張した。一方、クライマー側は憲法上の人権の問題、ホームレスの差別の問題とした。現代日本の図書館とホームレスの問題でも同様のコメントをする人が何人もいる。しかしそれは議論の始まりの一つであって、終わりではない。この二つの峻別によって議論の余地がないとしている人は、実は18年前の出発点にようやく立ったに過ぎないのである。 連邦地方裁判所判決(第一審 サローキン判決) 図書館の申し立てにより、この裁判は事実関係を争うものではなく、図書館の当該規則の法的効力、特に修正第1条*1から見て合憲であるかどうかを巡る争いとなった。これにより、裁判でクライマーの行動は扱われておらず、判決を構成する要素にもなっていない。普通の事件を追った記事や書籍と異なり、ク