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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (17)

  • 定年制廃止のために金銭解雇の合法化を 週刊プレイボーイ連載(344) – 橘玲 公式BLOG

    難産の末に「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」が成立しました。野党は「働かせ法案」「過労死法案」と批判していますが、「年収1075万円以上の専門職が対象」とされたためか、大半のひとが「自分には関係ない」と思い、反対運動はいまひとつ盛り上がりに欠けたようです。 しかし働き方改革はこれで終わりではなく、国民的な議論(大騒ぎ)を引き起こすことが確実な、さらに大きなイベントが待ちかまえています。それが「金銭解雇の合法化」です。 議論の前提として、日は世界にさきがけて超高齢社会に突入し、少子化による人口減で人手不足がますます深刻化している現状を確認しておきましょう。この大問題に対処しようとすると、「右」でも「左」でもどんな政権でも、「高齢者にいつまでも働いてもらえる社会」にする以外ありません。こうして安倍政権は「一億総活躍」を掲げ、公務員の定年の65歳への引き上げや、「70歳定年制」の導入が検

    定年制廃止のために金銭解雇の合法化を 週刊プレイボーイ連載(344) – 橘玲 公式BLOG
  • 日本企業は「体育会系」大好き、日本社会は「運動部カルト」 週刊プレイボーイ連載(339) – 橘玲 公式BLOG

    すこし前のことですが、ヘッドハンティングを仕事にしているひとの話を聞いたことがあります。新しい部署や事業部を任せられる幹部を、年収1000万円から3000万円で探すよう頼まれるのだといいます。 ヘッドハンターによると、日企業と外資系企業では採用基準がちがうそうです。 外資系企業が評価するのは学歴・資格・職歴・経験、そしてなにより実績で、男女の別や国籍・人種は問いません。それに対して日企業は「男性」「日人」が当然の前提で、女性や外国人はそもそも検討の対象にもなりません。 こういうところに日企業の差別的な体質が現われていますが、それは容易に想像できます。興味深いのは、外資系企業がまったく関心を示さないのに、日企業にとってきわめて重大な属性があることです。それが「体育会」です。 「いつも不思議に思うんですけど」と、ベテランのヘッドハンターはいいました。「大学の運動部出身というと、どこも

    日本企業は「体育会系」大好き、日本社会は「運動部カルト」 週刊プレイボーイ連載(339) – 橘玲 公式BLOG
    sotokichi
    sotokichi 2018/06/11
    “「無能な人材をよろこんで採用してるんだから、日本企業が国際競争から脱落するのは当然ですよ」と、ヘッドハンター氏は他人事のようにいいました”
  • 「差別とは無関係」といいながら差別するひとたち 週刊プレイボーイ連載(300)  – 橘玲 公式BLOG

    民進党の蓮舫代表(7月27日に辞任を表明)が「二重国籍でないことを証明する」ため、戸籍の写しなどを公表したことが波紋を広げています。この問題についてはネットを中心に膨大な議論がありますが、話がややこしくなるのは、「国会議員が二重国籍なのは違法だ」と思っているひとが(ものすごく)たくさんいることです。すでに指摘されているように、公職選挙法では国会議員が日国籍であることを定めているだけで、二重国籍を排除する規定はありません。 2007年の参院選挙では、国民新党がアルベルト・フジモリ元ペルー大統領を比例代表候補として擁立していますが、フジモリ氏が日とペルーの二重国籍であることはまったく問題にされませんでした。蓮舫代表のケースでは、国籍についての過去の発言に矛盾があることは確かですが、司法の判断の前に経歴詐称と決めつけ、有権者によって選ばれた議員の資格を一方的に否認するのは民主国家としては明ら

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  • アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016〈週刊文春〉 – 橘玲 公式BLOG

    年初から急速に円高が進み、株価も急落しました。また安倍総理は、施政方針演説で「同一労働同一賃金」の法制化を目指すと宣言しています。こうした社会・経済の流れは、昨年末に『週刊文春』(2015年12月24日発売号)に寄稿した「アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016」に書いたので、『週刊文春』編集部の許可を得て全文を掲載します(見出しは適宜つけました。図表は入稿時に参考として添付したものです)。 *********************************************************************** 私の手元に「日の再生に向けた検討課題について」と題された資料がある。民主党時代の平成24(2012)年1月、経済産業省が省内の勉強会として日経済の将来を予測したものだ。 2008年からの3年間で名目GDPが40兆円強も減少し、日

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  • 日本がなぜ戦争したかは、新国立競技場問題が教えてくれる 週刊プレイボーイ連載(206) – 橘玲 公式BLOG

    1923(大正12)年12月27日、国会議事堂に向かう皇太子(後の昭和天皇)の車が狙撃されました。犯人の難波大助は、父親が衆議院議員という山口県の名家に生まれた24歳の若者で、ステッキに仕込んだ散弾銃の銃弾は車の窓を破ったものの、同乗していた侍従長が軽症を負っただけで皇太子には怪我はありませんでした。 欧米のジャーナリストを驚かせたのは、事件よりもその後の出来事でした。 内閣総理大臣の山権兵衛はただちに辞表を提出し、内閣は総辞職しました。当日の警護の責任をとって警視総監と警視庁警務部長が懲戒免官となったばかりか、道筋の警護にあたっていた(事件を防ぐことはとうていできなかった)一般の警察官までもが責任をとらされて解雇されます。 難波の出身地の山口県の知事と、上京の途中に立ち寄ったとされる京都府の知事は譴責処分となり、郷里の村は正月行事を取り止めて「喪」に服しました。難波が卒業した小学校の校

    日本がなぜ戦争したかは、新国立競技場問題が教えてくれる 週刊プレイボーイ連載(206) – 橘玲 公式BLOG
  • 安保法制問題に「どうでもいい」感が漂う理由 週刊プレイボーイ連載(205) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権が安保関連法案を衆院で強行採決し、野党が強く反発しています。衆院憲法審査会で自民党が推薦した憲法学者が「安保法制は憲法違反」と明言する“敵失”から法案の審議は迷走を始め、野党がそれを利用して違憲論争に持ち込み、安倍政権を窮地に追い込みました。 もっとも、与党が提出した法案を違憲だというのなら、どれほど“熟議”を重ねても合意に至るわけはありません。これは数で圧倒する与党を強行採決に追い込んで批判する“弱者の戦略”で、それが悪いとはいえませんが、野党にだって最初から議論するつもりなどなかったのです。 「戦争」だとか「徴兵制」だとか、いたずらに国民の不安を煽る言動も、政権奪還の気概を持つ(はずの)政党としては大人気ないかぎりです。こんなことでは、自民党と(永久護憲野党の)共産党の2つがあればいい、ということになってしまいそうです。 残念なのは、安保法制が違憲だとして、だったらどうするのか

    安保法制問題に「どうでもいい」感が漂う理由 週刊プレイボーイ連載(205) – 橘玲 公式BLOG
  • ISISの存在が突きつけるアラブ諸国の深刻な矛盾 – 橘玲 公式BLOG

    『マネーポスト』新春号に掲載された「ISISの存在が突きつけるアラブ諸国の深刻な矛盾(連載:セカイの仕組み第13回)を、編集部の許可を得てアップします。執筆時期は2014年11月です。 ************************************************************************ 内戦や紛争で統治が崩壊してしまったシリアとイラクでイスラーム系過激派組織が勢力を拡張している。 日のメディアは「イスラム国」と報じているが、この名称には問題がある。欧米はもとよりサウディアラビア(スンニ派)やイラン(シーア派)、さらには世界のムスリム(イスラーム信者)のほとんどがこの団体を「イスラーム」とも「国家」とも認めていないからだ。そこでここでは、欧米のメディアにならって「ISIS(アイシス)」と記すことにする。これは彼らの旧称である「イラクとシリアのイス

    ISISの存在が突きつけるアラブ諸国の深刻な矛盾 – 橘玲 公式BLOG
    sotokichi
    sotokichi 2015/01/30
    『そして人類の歴史は、「理想」と「正義」こそがこの世でもっともグロテスクなものを生み出すことを繰り返して教えている。』
  • 「オッカムの剃刀」と不愉快な世界 週刊プレイボーイ連載(178) – 橘玲 公式BLOG

    「オッカムの剃刀」は14世紀の哲学者・神学者オッカムが用いた哲学の論法で、「より複雑な説明と、より簡潔な説明があった場合、後者を採用すべきだ」というものです。「単純な説明が常に真実である」ということではなく、経験的に、「単純な論理の方が正しいことが多い」といっているのです。 具体的な例を挙げてみましょう。 東日大震災の前後で日人の幸福度を測ると、震災後に「自分は幸福だ」と感じるひとが増えていることがわかりました。ある学者はこの結果を、「大きな災害によって日じゅうが“絆”を意識したからだ」と解釈しました。共同体への帰属意識は幸福感を高めますから、それなりに説得力のある主張です。 しかしこのデータは、ずっとシンプルな仮説でも説明できます。 「幸福」と「不幸」に絶対的な基準があるわけではなく、感情はあくまでも相対的なものです。各国の最貧困層を比較すると、インドのスラムに暮らすひとたちはニュ

  • “大誤報”なんてぜんぜん珍しくない 週刊プレイボーイ連載(73) – 橘玲 公式BLOG

    山中伸弥京都大教授のノーベル医学生理学賞受賞に日じゅうが湧くなかで、iPS細胞を使った世界初の臨床実験の“大誤報”もたいへんな騒ぎになっています。しかし、マスメディアの誤報というのはそんなに珍しいものなのでしょうか。 そんなことを考えていて思い出したのが、2009年1月に世を騒がせた「かんぽの宿」問題です。かんぽの宿は簡易保険加入者のための宿泊施設でしたが、赤字経営の恒常化で小泉―竹中時代の郵政民営化で売却対象とされ、日郵政の西川善文初代社長(元三井住友銀行頭取)のときに、土地・建物と従業員の雇用継続込みでオリックス不動産に109億円で事業譲渡されることが決まります。 しかしその後、麻生内閣の鳩山邦夫総務大臣が、「2400億円もかけて取得した施設を109億円で売るのはおかしい」といい出し、それを機に、当時、総合規制改革会議議長だった宮内義彦オリックスグループCEOに国の大切な資産を安売

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  • 小沢一郎はなぜエラそうなのか? 週刊プレイボーイ連載(59) – 橘玲 公式BLOG

    小沢一郎が50人ちかい議員を引き連れて民主党を離党しました。これが自滅への道なのか、政界再編の立役者として返り咲くのかはわかりませんが、マスコミの扱いの大きさを見ても、いまでも日でもっとも注目を集める政治家であることは間違いありません。 ベストセラーとなった『日改造計画』の小沢一郎は、日を「ふつうの国(グローバルスタンダードの国)」にしようとする開明的で合理的な政治家でした。元秘書だった石川知裕が『悪党―小沢一郎に仕えて』で描いたのは、自宅で書生に雑巾がけをさせる古色蒼然たる“オヤジ”の姿です。自民党から新進党、自由党、民主党への遍歴のなかで袂を分かったかつての仲間たちは、ひとをひととも思わぬ残酷さにそろって怨嗟の声をあげます。 政治家なら誰もがいちどは小沢一郎に憧れ、やがて裏切られ捨てられていく。しかしいつのまにか、新人議員たちが彼のまわりに集まってくる。そんな不思議な魅力と複雑な

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  • 高校生のセックス相関図から幸福と不幸を考える – 橘玲 公式BLOG

    「 “モテキ”はなぜやってくるのか?」で“つながり”について書いたが、私たちはいったいどのようにつながっているのだろうか? ここでは、それを可視化してみよう。 以下の3枚の図版は、いずれもニコラス・A・クリスタキス/ジェイムズ・H・ファウラー『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』に掲載されているものだ。 1枚目は、白人生徒が大半を占めるアメリカ中西部の中規模高校(仮名で「ジェファーソン高校」)のセックス相関図だ。 色の濃い点が男子、色の薄い点が女子で、複数の異性とつき合っている場合は2方向(もしくは3~4方向)に枝が伸びている。 これを見るとわかるように、枝の末端にいる生徒を除けば、すべての生徒が複数の異性と性関係を持っている。でもこれは、「アメリカの高校は風紀が乱れている」ということではない。 そもそもなぜ、社会学者がこのようなセックス相関図を描くことができたのだろうか? それはこ

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  • 「パブリック」というユートピア思想 – 橘玲 公式BLOG

    Googleが3月に導入した新たなプライバシーポリシーが波紋を呼んでいる。検索サービスのほか、メール、地図、ナビゲーション、写真管理、動画配信(ユーチューブ)、スケジュール管理、自動翻訳、書籍検索、ブログ閲覧など、60以上のサービスで顧客情報を統一して管理し、「利便性を高める」ものだ(玉井克哉〈日経新聞4/11朝刊『経済教室』〉)。 これが「プライバシー侵害」として強く批判されるのは、Googleがネットユーザーのプライバシーを収集し、ビジネス化しようとしている(ユーザーの行動履歴から効率的な広告配信をしようとしている)、と考えられているからだろう。プライバシー権に敏感なEUでは、「忘れられる権利」すなわち自己にかかわるいっさいのデータの消去を顧客が求める権利を立法化しようとしているという(玉井、上記)。 もちろんGoogleが私企業である以上、収益の最大化を目指していることは間違いない。

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    sotokichi
    sotokichi 2012/04/19
    日本だとマイノリティが生きにくくなるだけな気がする。
  • こんなに若者が幸福な時代はない – 橘玲 公式BLOG

    この20年はほんとうは「幸福」だったのではないかか、というエントリーを書きましたが、それに関する興味深いデータがあるので、あわせてアップしておきます。 下のグラフ(画像をクリックで拡大)は、社会学者・古市憲寿の『絶望の国の幸福な若者たち』に掲載された図をスキャンして、わかりやすいように着色処理したものです。同書によれば、古市自身もこのデータを豊泉周治『若者のための社会学』で知ったとのことで、その後、一部の社会学者のあいだで話題になったようです。 このデータは内閣府の「国民生活に関する世論調査」によるもので、グラフを見れば明らかなように、20代男子の「生活満足度」は1970年~90年に比べて、この10年間で15%近くも急上昇しています。いまの若者は、1980年代のバブル最盛期の若者たちよりもずっと「幸福」なのです。 世間では、「グローバリズムによる格差社会で若者が不幸になった」と大合唱されて

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  • “国家破産”の街アテネを旅して(2) – 橘玲 公式BLOG

    ギリシアの経済危機は、どこかマンガじみている。 そもそもこの国は、野良犬と並んで公務員の数がものすごく多い。ギリシアの経済学者はこれを「公務員爆発」と呼ぶが、その数は財政危機にもかかわらず加速度的に膨張している。 この不思議な社会の仕組み報告した毎日新聞記者の藤原章生は、ギリシアの公務員問題について、労働省のエリート官僚の次のような証言を紹介している。 新たな政権ができると、官僚の顧問や局長職は総入れ替えになり、それぞれの閣僚や次官ら政治家たちが好きなように身内や友人、支援者、または自分で探してきた人物をそのポストに招く。こうした人々は「臨時雇用」という形で来るが、この国の問題は彼らがいつの間にか「正規雇用」になっていて、政権が交代しても解雇されないこと。 前から同じポストにいた人はどうなるかと言うと、解雇されず、別のポストに行くか、ひどい場合、同じ局長のポストに2人がいるなんてこともある

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  • いずれ君たちは思い知るだろう – 橘玲 公式BLOG

    東京電力の損害賠償をめぐる政府支援の枠組が決まった。私は日国の一介の納税者として、また東京電力の一利用者として、この決定にささやかな疑問を持っている。 政府の決定では、東京電力の賠償額に上限は設けないのものの、株式の上場を維持し、社債などの債権もすべて保護されることになった。それでどうやって莫大な賠償資金を捻出するかというと、東京電力の毎年の利益から国に返済するのだという。 ところで東京電力の商品は電力しかないのだから、「利益」というのは利用者が支払う電気料金のことだ。電力は地域独占なので、電気料金が値上げされれば利用者には抵抗する術がない。すでに多くのメディアで、「電力料金の大幅な値上げは不可避」と報じられている。 ここで、私の最初のささやかな疑問だ。 これは要するに、東京電力が利用者から原発事故の賠償資金を取り立てて、それを被害者に分配するということではないのか。 もちろん政府はこう

    いずれ君たちは思い知るだろう – 橘玲 公式BLOG
  • 東京電力は日本政府を訴えるべき – 橘玲 公式BLOG

    福島第一原発事故にともなう東京電力の損害賠償について、理解しがたい主張が横行しているので、それについて私見を述べておきたい。 議論の前提として、東京電力は福島第一原発の安全管理に責任を負っているのだから、今回の事故が引き起こした風評被害を含むすべての損害に対して賠償義務があることは明らかだ。このような場合、資主義社会では、会社法などの法律や金融市場のルールによって、誰が損失を負担すべきかを明確に定めている。今回のケースでは、賠償の原資は次のような順番で調達することになる。 東京電力は、第一に、保有する株式や不動産など、売却可能な資産をすべて現金化すべきだ。社ビルや社宅など、キャッシュフローを産まない資産はすべて売却して賠償原資にすればいい(社ビルなどはリースバックすればいい)。 役員報酬や社員の年収カットにとどまらず、整理解雇を含めたリストラによって経費を削減する。東京電力は今年度の

    東京電力は日本政府を訴えるべき – 橘玲 公式BLOG
  • 日本人はなぜ自殺するのか? – 橘玲 公式BLOG

    では、毎年3万人を超えるひとたちが自らの意思で死を選んでいる。これは、「市場原理主義」による改革により、日人の安心が奪われてしまったからだと説明される。 だが国際的な自殺率の比較を見ると、日の自殺率(10万人あたりの自殺者数)が24.4なのに対し、市場原理主義の国アメリカの自殺率は11.0、イギリスにいたっては6.4だ。この統計を素直に解釈すれば、日をアングロサクソン型の市場原理主義国家にすれば、年間1~2万人のひとが自殺から救われることになる。市場原理と改革を声高に批判するひとたちは、これをどのように説明するのだろう。 年功序列と終身雇用は真面目に働く労働者にやさしいシステムで、それを「市場原理主義者」が成果主義で破壊したために、追い詰められたサラリーマンが自殺していく、というのが定番のストーリーだ。でもかつて、サラリーマンはほんとうにそんなに幸せだったのだろうか。 『残酷な世

    日本人はなぜ自殺するのか? – 橘玲 公式BLOG
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