「障害者」なのか「障がい者」なのか。福祉を担当していると、よく考える。 「害」の字は「さまたげとなるもの、わざわい」(広辞苑)という意味があるため、「害虫」などイメージが悪い言葉を連想させ、不快に思う当事者がいる。戦前、障害と併用されていた「障碍(がい)」を使うべきだという意見もあるが、碍は常用漢字ではなく、広く使われにくい。 こうした声に配慮して、ひらがな表記にする自治体が増えている。内閣府によると、2014年3月末現在、人などを表す場合は「障がい」に改めたのは、全国23都道府県・政令市に上る。九州では、熊本、大分、宮崎の3県と福岡、熊本の両政令市。03年ごろからひらがなを使う地方自治体が出始め、政令市以外も含めればかなり広がっているようだ。 08年にひらがな表記にした熊本県は「当事者団体などの要望を受けた」、05年に変えた福岡市も「『害』の字を使いたくないという意見を考慮した」と説明し