今、突然、自分や家族に死が訪れたら、残された者は何をしたらいいのだろうか? 葬儀の手配などとともに親戚や知人への連絡も急務となるだろう。だが、当人の交友関係は、ほとんどがスマートフォンや携帯電話のアドレス帳のみに残されている。ところが、パスワードがわからず、どうやって知らせたらいいのか……。そんな時代が訪れている。 スマホを含む携帯電話の加入者数は1億5000万台を超え、PC保有世帯率も約8割(平成26年総務省調べ)。情報機器の普及が進んだ現代において、「デジタル終活」が静かな広がりを見せている。 家族に遺したいもの、見られたくないものを区別 「デジタル終活」とは、自らの死を迎えるために準備を整える「終活」のデジタル版。スマホやPC利用者が死を迎えた際、こういったデジタル機器を利用した「告知」、機器に内蔵された「データ取り出し」、逆に人に知られたくないものを削除する「データ削除」といったこ