食品スーパー大手のライフコーポレーションは、パート社員約2万人を対象に、毎年賃金が上がっていく定期昇給(定昇)を5月から始める。正社員だけでなくパート社員にも定昇を導入するのは珍しい。小売業界は人手不足が続く。非正社員の待遇を改善して優秀な働き手を引き留めようとする動きが広がり始めている。 ライフ労働組合が昨年の春闘で導入を求め、1年かけて議論し労使が合意した。これまでパート社員は人事の評価区分が上がらないと、何年働いても時給は上がらない仕組みだった。新しい制度ではパート社員の多くが評価区分に応じて、毎年5~10円の幅で時給が上がる。評価によっては定昇がない人もいる。年間では1人あたり約2万円の賃上げ分に相当する人も出てくるという。会社全体では初年度に数億円の人件費増を見込む。 ライフは首都圏や関西に約240店を展開し、従業員は約3万6千人いて、そのうちパート社員らが約3万人と大半を占める