鎌倉市の鶴岡八幡宮から歩いて10分。閑静な住宅街の路地を行くと、築90年の古民家が見えてくる。東京・丸の内の高層ビルに入居する大手金融機関とは対照的な、鎌倉投信のオフィスだ。 リーマンショックが世界の金融市場を襲った2008年に生まれた鎌倉投信が運用する資産残高は、約275億円。顧客数は約1万7000人。顧客の半数は20代から50歳までの個人投資家で、いわゆる「氷河期世代」(1970年〜1983年生まれ)やミレニアル世代(1980年半ば〜2000年生まれ)が中心だ。 米国の大手資産運用会社ブラックロック(BlackRock)やバンガード(The Vanguard Group)が数百兆円を超える巨大な資産を運用する一方、鎌倉投信が運用する「結い 2101」の資産規模は500億円〜1000億円が適正だという。 20年間、アメリカのBGIグループ(Barclays Global Investor