他人にホラ話を信じさせるコツは、9割の嘘に1割の真実を混ぜることだという。これが刑事ドラマとなると、そうはいかない。合言葉は「3割のリアル」。7割の嘘に3割の本当が求められるのが刑事ドラマなのだ。そんな刑事ドラマのリアリティを支える知られざる職人集団。それが「チーム五社」である。 五社英雄といえば、時代劇におけるリアリティを追究した監督として知られる。肉を斬り骨を断つ効果音を発明したり、竹光ではなく真剣と同じ重さのジェラルミン製の刀を殺陣に用いて刃と刃がぶつかる金属音を出したり、演出面で後進に大きな影響を与えた。五社監督の死後、五社プロダクションは長女が継承し、警察監修のマネージメントも行うようになった。チーム五社は、プロダクション内に設立された警察監修チームである。 モットーは、「刑事ドラマに3割のリアルを」。在籍する警察出身者らの知見を生かし、的確な助言を行う日本でも数少ないプロフェッ