2月17日よりザ・スズナリにて、ゆうめいの新作公演『養生』(下北沢演劇祭参加作品)が開幕する。実体験を逡巡しながら紡ぐドキュメンタリー的劇作で注目を集めた池田亮だが、今年の岸田國士戯曲賞最終候補作でもある『ハートランド』では「フィクション」という新フェーズを切り拓いた。そんな作家性の変遷を糧にしつつも、本作ではまたひとつ、既存に囚われない創作の形を模索。キャストと池田が同じ夜勤を体験し、「労働と創作を相互に取り込むこと」によってシームレスな人物と物語の造形に乗り出そうと言うのである。 画材を買うべく始めたバイトで気付けば社員になっていた男・橋本を演じるのは、池田が劇作家の同志として敬愛し、その人間性にも魅力を見出すウンゲツィーファの本橋龍。橋本と労働を共にする阿部役をゆうめいメンバーの田中祐希が、二人の後輩に当たる清水役をゆうめい・ウンゲツィーファ両作品に不可欠な俳優・黒澤多生が演じる。