北朝鮮の独裁支配体制を根幹で支える政治犯収容所。その内実を描いた脱北者らのスケッチ集が韓国で編集され話題となっている。すべてのスケッチは、公開銃殺や絞首刑、拷問などの目を覆いたくなる惨状を脱北者自身が描いたもの。金正恩第1書記の新体制となったいまも、大量の住民が強制収容され、暴力と死の恐怖におののきながら暮らしている現実を告発するスケッチの内容を紹介する。(ソウル 加藤達也) スケッチ集は「脱北者が直接描いた北朝鮮政治犯収容所」。1975年から2002年までの27年間、収容所に囚われ「最長期の収容者」として知られる女性脱北者、キム・ヘスクさんらが提供したスケッチを韓国の北朝鮮民主化推進団体である「社団法人 北朝鮮民主化ネットワーク」が編集した。 冊子は「衣・食・住」から「強制労働」、「拷問」そして「死」へ-と、収容所の“恐怖のシステム”の流れに従って編集されている。