セシリア・ワトソン(著)、萩澤大輝 (訳)、倉林秀男(訳)『セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』(左右社) 世の中には読んだほうがいい本がたくさんある。もちろん読まなくていい本だってたくさんある。でもその数の多さに選びきれず、もしくは目に留めず、心の糧を取りこぼしてしまうのはあまりにもったいない。そこで当欄では、書店で働く現場の人々が今おすすめの新刊を毎週紹介する。本を読まなくても死にはしない。でも本を読んで生きるのは悪くない。日刊SPA!で書店員による書評コーナーがスタート。ここが人と本との出会いの場になりますように。 いきなり個人的な話で恐縮だが、私は英語が好きではない――しかし外国文学を読むのは好きだったし、それを批評するのも楽しかったため、英文学の修士号までとっていたりする……実情は就活に失敗してどうにか滑り込めたのが内部進学での院進だっただけで、とにかく私はでき