紀元前1075〜前945年の『死者の書』に描かれた古代エジプトの神々。左からネフティス、イシス、オシリスが、死者からの贈り物を受け取る様子が詳細に描かれている。(IMAGE COURTESY OF ALFREDO DAGLI ORTI/SHUTTERSTOCK) 人類の歴史には、超自然的な力が宿るとされる伝説の遺物があふれている。古代エジプトの『死者の書』や「若返りの泉」のように持ち主を守ってくれる物もあれば、持ち主に呪いをかけるとされる物もある。オーストラリアの聖地ウルル(エアーズロック)を訪れた観光客が拾って持ち帰った石は、その例だ。アーサー王の剣「エクスカリバー」や聖杯にまつわる伝説は、本や映画や叙事詩の中で長く語り継がれてきた。 こうした遺物の背景にある事実については、根拠が乏しい場合が多い。むしろ、それを取り巻くロマンティックな物語こそが、人々に信じる力を与えてきたと言ってよい。