オリンパスと東京慈恵会医科大学は11月11日、精子の運動性を算出できるAIを開発したと発表した。体外受精の一種「顕微授精」の精度と効率性を高める狙い。顕微授精は多数の精子から優良なものを1つ選び、顕微鏡で確認しながら卵子に注入する手法で、これに最新技術を導入して判別をアシストする。構築に当たっては、1066体の精子の画像を学習させた。 顕微授精は、乏精子症や精子無力症などの不妊治療に効果的とされている。実施する際は、胚培養士の資格を持つ医療技術者が精子を確認し、最適な1個を選ぶのが一般的だ。体外受精などの生殖補助医療へのニーズが高まり、顕微授精の実施件数が増加しているため、技術者の負担が増大しているという。 この課題を解消するため、オリンパスと慈恵医大は3月から共同研究を開始し、今回のAIの開発に至った。画像データ内の精子の99%を検出でき、精子と判断したもののうち正しい精子の割合は92%