2019年、南アフリカ北西州のピエニカ・ファームに暮らす複数のライオンが疥癬(かいせん)を発症し、栄養失調とネグレクトで苦しんでいることが判明した。飼育者はジャン・スタインマン氏で、当時、南アフリカ捕食者協会の理事に名を連ねていた。動物愛護団体によれば、これは決して特別な事例ではなく、南アフリカに250以上ある飼育繁殖施設の多くでライオンたちが苦しんでいるという。(PHOTOGRAPH BY NICHOLE SOBECKI) 南アフリカが、観光、トロフィーハンティング(趣味の狩猟)、伝統医学用の骨の供給などを目的とする、ライオンの繁殖や飼育の廃止に動いた。こうしたライオン繁殖産業は数百万ドル規模になると推定されている。 同国の環境林業漁業相のバーバラ・クリーシー氏は2021年5月2日、声明を発表し、「ライオン繁殖産業は自然保護に貢献しておらず、南アフリカの自然保護と観光の評判を傷つけている