このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 金沢大学に所属する研究者らが発表した論文「電力重畳通信を用いた空間配置自由度の高いキーボードシステム」は、各キースイッチを立体的に自由にレイアウトできる自作3次元キーボードシステムを提案した研究報告である。 好みにレイアウトする自作キーボードにおいて、平面配置だけでなく、キーを空間的に配置することでさらに打鍵しやすくなる。既存のキーボードでは、キーボードの中央部が盛り上がるなどの立体的な形状を持つものがあるが、ユーザーがキー単位で立体的な位置を自由に変更することは難しい。 さらに、各キーを好きな場所に配置できるキーボードも存在するが、これら