不妊治療の実施件数は世界一なのに、出産率は世界最下位。日本は、世界で一番「妊娠できない不妊治療」が行われている国だということをご存じでしょうか? 医学博士の浅田義正さん(医療法人浅田レディースクリニック理事長)と出産ジャーナリストの河合蘭さんが執筆、不妊治療後進国としてのニッポンの姿を浮き彫りにした話題書『不妊治療を考えたら読む本』よりその一部を特別公開──。 河合は、『卵子老化の真実』(文藝春秋、2013年)という本を書いた際、たくさんの人にどれくらい高い年齢の妊娠例を知っているかと聞いてまわりましたが、50歳前後で妊娠したケースを知る人にときどき出会いました。 その本で取材した女性の最高出産年齢は49歳です。歌手で俳優の白樺八靑(やお)さんという方で、不妊治療はしていない自然妊娠で妊娠中の経過も順調だったそうです。 その一方で、不妊治療の現場には、20代で閉経してしまう女性も訪れている