スマホやタブレットで電子書籍を読むスピードを上げる研究が進んでいる。紙の書籍の速読術は目の動きを訓練するのが基本だが、電子書籍では機械がアシストする。人が言葉を認識する仕組みと、電子書籍ならではの柔軟な文字配列などを組み合わせることで、1・3倍の速さで読むことができるようになるという。 印刷大手「大日本印刷」(東京都)が、公立はこだて未来大学(北海道)と共同で2012年半ばから、大学生を被験者に研究してきた。 同社によると、人が文章を読む時は一般的に、文字を一つずつ確認しているわけではない。例えば〈こんちには みさなん おんげき ですか?〉という文章。1文字ずつ見ていくと意味不明な言葉の羅列だが、〈こんにちは、皆さんお元気ですか?〉と認識する人が多い。目に見える文字のかたまりを、脳が勝手に意味を持ったかたまりとして変換してしまうからだ。 読書の速い・遅いは何に左右されるのだろうか。同社で研