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「がんには発見された時点ですでに転移している本物のがんと、放っておいても進展しない“がんもどき”の2種類しかない」という「近藤理論」は、国内・国外を問わず、臨床医学においても基礎医学においても支持されていません。最初はおとなしかったがん細胞(あるいは前がん細胞)が遺伝子変異により次第に悪性度を高めていくことはよく知られています。たとえば人間社会でも、世の中に神か仏のごとき善人か、生れ落ちるとからの極悪人の2種類しかいないということはないように、がん細胞の性質あるいは悪性度にも多様性があります。子宮頸がんについて言えば、悪性度は癌腫の中では中等度といったところでしょうか。多くの場合、進行は緩徐ですが、病期が進むと治癒が困難になります。 現在までに前がん病変(異形成〜上皮内がん)から子宮頸がんの発症・進展に関する数多くの疫学調査がなされています。上皮内がんの99%は自然に消えてしまうので治療し
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