ノーベル物理学賞の受賞が決まった梶田隆章さんが研究を行っている岐阜県飛騨市では、観測の対象の「ニュートリノ」にちなんだ名前の日帰り温泉が、にぎわいをみせています。 ニュートリノの研究で2度目のノーベル物理学賞が決まって初めての週末となった10日、温泉施設はにぎわいを見せています。施設によりますと、梶田さんの受賞が決まってからは、利用客がふだんの倍以上になる日もあるということです。 岐阜県高山市から友人と来たという77歳の男性は「ニュートリノという名前が気になってきてみました。健康にいいような気がします」と話していました。 温泉施設の楢木明弘取締役は「梶田さんの受賞以降、お客さんが増えてうれしいです」と話していました。
ヒューゴー賞(Hugo Awards)は、世界中のSFファンが注目するSF、ファンタジー、ホラージャンルの重要な賞である。 受賞作は世界SF大会(ワールドコン, World Science Fiction Convention)に登録したファンの投票で決まり、大会の間に開催される授賞式で発表される。気取った文芸賞とは異なり、批評家ではなくファンが決める賞なので、必ずといって良いほど面白く、ベストセラーにもなる。そういった点で、とても信頼性がある賞だった。……少なくともこれまでは。 ところが、このヒューゴー賞が社会政治的なバトルグラウンドになってしまったのだ。 アメリカのSF作家のなかには、最近のヒューゴー賞は「マイノリティの人種、女性、同性愛者への公正さを重んじるリベラルな政治性を優先して選ばれている」、「文芸的な作品が重視され、娯楽的なSFが無視されている」といった不満を持つ者がいる。そ
ノーベル賞を持つ著名な物理学者であるリチャード・ファインマンは、「もし世界規模の大変動が起きて科学的知識の全てが破壊されたとき、もしあなたが次世代にたった一文だけを伝えることができたとしたら、少ない言葉であなたはどんな重要な情報を伝えますか?」と質問されたことがあります。ファインマンは「全てのものが原子で構成されていると仮定する『原子論』を伝えます」と回答しましたが、BuzzFeedの記者が現代の科学者12人に同じ質問をぶつけてみると、さまざまな回答を得ることに成功しています。 I Asked 12 Scientists: What Is The One Fact Humanity Needs To Know http://www.buzzfeed.com/tomchivers/how-come-no-one-mentioned-evolution-by-natural-selection
閉ざされた研究者の世界は変わるか 7月28日 16時40分 研究者と聞くと、“複雑な実験に没頭して難しい論文を書いている”という印象を持つ方も多いのではないでしょうか。私たちの生活をよくするために日々、努力しているにもかかわらず、ややもすると“象牙の塔”とも皮肉られ、世間とは深い溝があるように見られています。 こうしたなか、クラウドファンディングの手法を使って、研究者と一般の人たちをつなごうという新たな取り組みが始まっています。“閉ざされた”研究者の世界は変わるのでしょうか。(ネット報道部・萩原潤治) “巨大トカゲ”に迫る若手研究者 恐竜の時代(中生代白亜紀)に生息していた巨大トカゲの「モササウルス」。体長は10数メートルにも及び、トカゲでありながら水中で生活するなど、今も分かっていないことが多い謎の生物です。 東京大学大学院で古生物学を専攻している山下桃さん(26)は、モササウルスの眼
スペインの洞窟から出土した43万年前のヒト属の頭骨に“殺人”の跡が見つかったと国際研究チームが5月27日に発表した。研究者は「記録上、最古の迷宮入り事件(coldest cold case)だ」と話している。 頭骨はホモ・ハイデルベルゲンシスなどの骨が多数見つかったスペイン北部の洞窟シマ・デ・ロス・ウエソス(「骨の穴」)から出土した。若い成人とみられるが、性別は不明という。 出土した破片から頭骨を復元したところ、左目の上部に2つ、骨を貫通する傷があることが分かった。現代の鑑識手法で調べたところ、洞窟に転落したことでできた傷とは考えにくく、相対した他人から、石器や木製の槍などで攻撃され、致命傷になった跡だと結論した。 シマ・デ・ロス・ウエソスからは少なくとも28体以上のホモ属の骨が見つかっており、発掘された大腿骨から40万年前のDNAの解読に成功したことでも知られる。研究チームは、洞窟が死者
現代の産業を育成するにはたくさんの石油を必要とした。しかし、隕石の落下のような大惨事が発生した場合、人類は再び産業を立て直すことはできるのだろうか。そのときにはもう石油は残っていないかもしれないのに。人々はよくポスト黙示録的なシナリオを考え出す。しかし、実際にそれが起きた場合、人類は石油なしで文明を再建できるのだろうか。Aeonではこの思考実験に挑戦している(Slashdot)。 まずエネルギーを精製する必要があるが、ソーラーパネルパネル一つとっても製造には石油が必要になるだろう。車の動力については電気モーター等で代用できるが、鉄や鋼、レンガ、モルタル、セメント、ガラスなどの重要な建築材料を石油という火力無しで作り出すことは難しい。しかし、ブラジルは現在、木炭を使うことで世界九位の鉄鋼生産国になっている。ブラジルの木炭業界で使用される木は専用に栽培されているユーカリだ。この技術は役に立つだ
京都大学は7日、近視、強度近視の発症に関わる遺伝子変異が同大学大学院医学研究科の山城健児(やましろ けんじ)講師と吉村長久(よしむら ながひさ)教授らによって発見された、と発表した。 この遺伝子変異は、22番染色体中の遺伝子の一つであるWNT7Bの中に見つかった。吉村教授は「日本人の2、3人に1人が近視で、そのうちの5%程度の人は強度近視といわれている。近視を確実に予防する方法はなく、今回の研究成果は近視の発症原因を探るための第一歩となる」と語っている。 この研究成果は、市民と研究者の強い連携によって生まれた滋賀県長浜市民を調査対象とするコホート研究「ながはまコホート」によってもたらされた。研究チームは9,800人のデータを解析することによって、WNT7B 遺伝子にみられた変異(一塩基多型=SNP)が近視の発症に影響していることを突き止めた。さらに 1,000人の強度近視患者のデータを解析
※この発見についての詳細は、2015年12月30日発売の『ナショナル ジオグラフィック日本版』2016年1月号で、見つかった都市の想像図や写真を含めて詳しく紹介します。 一部が人間で一部がジャガーの姿をした石の彫像。ホンジュラスの密林奥深くに眠る遺跡では、この他数多くの出土品が見つかった。(PHOTOGRAPH BY DAVE YODER, NATIONAL GEOGRAPHIC) ホンジュラスの密林へ分け入った探検隊が、失われた文明の遺跡を発見したという驚くべき報告を携えて戻ってきた。この地域には昔から「猿神王国」あるいは「シウダー・ブランカ(白い街)」という古代文明にまつわる伝説が存在し、その遺跡がどこかに眠っているといわれてきた。探検隊はその場所を確かめるために、人里離れた未開のジャングルへと足を踏み入れた。 発見された遺跡は今からおよそ1000年前に栄え、その後滅びた文明のものと思
トビイロケアリは巣の中の決まった場所に排泄物を溜める。写真はドイツで撮影された個体。(Photograph by blickwinkel, Alamy) アリの排泄習慣を綿密に調べた初めての研究から、数種のアリは複雑に入り組んだ地中の巣で共用の「トイレ」を維持していることが明らかになった。 亜種が日本にも生息するトビイロケアリ(学名:Lanis niger)を調査した研究者らは、巣の中に排泄物を溜める専用の場所があることを発見した。これはある意味、道理にかなっている。数千匹ものアリがひしめく狭い空間では整理整頓がカギだからだ。 ただし、糞は細菌を増やし、病気を蔓延させ、コロニーを危険に曝す可能性もある。 「アリは実にきれい好きな生物ですが、あまり擬人化しないよう注意しなければなりません」と述べるのは、今回の研究を率いたレーゲンスブルク大学の博士研究員トメル・チャチュケスだ。 「きれい好きな
「私が最も直したい人類の欠点は攻撃性だ」とスティーブン・ホーキング博士が語ったそうだ(London & Partnersのプレスリリース、 Mail Onlineの記事、 Techie Newsの記事、 本家/.)。 この発言は、Visitlondon.comによりロンドンの公式名誉ゲストに選ばれた米国のAdaeze Uyanwahさんを案内してサイエンスミュージアムを訪問した際に、Uyanwahさんの質問に答えたもの。博士は「石器時代であれば(攻撃性は)多くの食料や縄張り、子孫を残すためのパートナーを得るなど、生存のための利点であったかもしれないが、現在では我々すべてを絶滅させる脅威となっている」と続け、「大規模な核戦争は文明を終わらせ、人類も終わらせることになるかもしれない。」としている。その一方で、「最も伸ばしたい人類の美点は共感する能力であり、これが皆に平和で愛情のある状態をもたら
2015年2月上旬、米国イエローストーン国立公園で「ビッグフット(北米の山中に生息するとされるヒトに似た毛深い未確認動物で、サスクワッチとも呼ばれる)」の姿を捉えたとされる動画がネット上で拡散して話題になった。そこで今回は、歴史的に有名な科学イカサマをいくつかご紹介したい。なお、この低画質の動画はまだ正式にはイカサマと判定されていないが、科学者も公園当局も、観光客や野生動物のいる公園内を未知の二足歩行動物がうろついている可能性はきわめて低いと言っている。 撮影された生き物は、ビッグフットの着ぐるみを来た人間だろうというのが大方の見方であるが、その正体が明らかになるのはいつなのか、そもそも正体が明かされることがあるのかはわからない。多くの古典的なイカサマは、懐疑的な人々によって見破られたり、当事者が嘘を告白したりして終息している。 もちろん、だからといって、この世界から小さな謎が1つもなくな
愛らしい表情を見せるハイイロアザラシ。海の人気者が、実際は「情け容赦のない捕食者」という証拠が相次いでいる。(Photograph by Brian J. Skerry, National Geographic) 一見、ほのぼのした光景だった。2013年、北海に浮かぶドイツ領ヘルゴラント島。沖で2頭のアザラシがふざけ合っているらしく、そのうち波の下へ潜っていった。間もなく、不気味な赤い色が波間に広がった。2頭が再び水面に現れたとき、大きい方のアザラシがもう一方のアザラシの皮をはぎ、食べていたのだ。 「2頭は遊んでいるとばかり思いました」。環境コンサルティング会社「IBLウンヴェルトプランノン」の海洋生物学者セバスチャン・フアマンは振り返る。同氏が撮影した、襲われる若いゼニガタアザラシの写真は、『Journal of Sea Research』誌の2015年3月号に掲載される予定だ。「最初見
Pew Research Centerが米科学振興協会(AAAS)と共同で実施した調査によると、米成人の大半は科学が生活の向上に役立っていると考える一方で、科学者と一般市民とでは見解に大きな隔たりのある科学的事柄があることも判明したそうだ(Pew Research Centerのリポート、 ScienceDailyの記事、 FiveThirtyEightの記事、 本家/.)。 米一般市民の79%が科学により多くの人々の生活が楽になると答え、科学が医療や食品、環境に対して良い影響を与えると答えた人も半数を超えている。ただし、米国の科学的な業績についての設問では、科学者の45%が世界最高、47%が先進工業国の平均以上と答えたのに対し、一般市民は15%が世界最高、39%が平均以上と答えたとのことだ。 一般市民と科学者とで回答の隔たりが最も大きかったのは、遺伝子組み換え食品を摂取しても安全かどうか
1年にわたって社会と科学界とを揺るがせた「STAP細胞」の正体が明らかになった。それは実験の場となった研究室に所属していた研究員が10年前に作り,研究に使わないまま保存していた胚性幹細胞(ES細胞)だった。どういう経緯かは不明だが,その6年後,この細胞は「STAP細胞」として現れ,様々な実験に使われ,多能性の証拠をもたらした。 “容疑”のES細胞に最初に気づいたのは公式の調査委員会ではなく,自らデータを解析した1人の研究者だった。理研の上層部が残された細胞やマウスの調査に後ろ向きな発言を繰り返していた間,理研の内外の研究者たちが,公開された遺伝子配列データを調べ上げ,実験で問題の遺伝子を確認し,STAP細胞は存在しないとの科学の証拠を積み上げた。これを受けて理研もついに重い腰を上げ,新たな調査委員会を発足。残された細胞やマウスのゲノムを片端から解読したところ,STAP細胞の正体が浮かび上が
BAS理事会のローレンス・M・クラウス共同議長が、Sage Journals記事にて、「セレブな科学者」が存在することの是非を論じている。同記事では、アルバード・アインシュタインやリチャード・P・ファインマン、カール・セーガン、スティーブン・ホーキング、ニール・ドグラース・タイソンといった著名な科学者らがセレブになった経緯を説明し、また自らもベストセラー作家となりテレビ番組にゲストとして多数出演してきた経験に基づき、セレブな科学者は社会に良い影響を与えると述べている(Slashdot、SAGE Journals)。 クラウス氏によれば、大衆が賞賛する科学者と科学研究の成果は相関しておらず、どちらかというとその科学者のコミュニケーションスキルや性格に依るところが大きいとのこと。だがそうは言っても、信頼できる科学者がより幅広い層の人に関心を持ってもらうことで、科学コミュニティー全体が恩恵を受け
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