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「青木薫のサイエンス通信」久々の番外編です。今回取り上げたのは、人類のルーツの謎を古代ゲノム解読で突き止めた『ネアンデルタール人は私たちと交配した』。この偉業のインパクトは、「何がわれわれを、われわれにしているのか」という問いに答える、大きな可能性が切り開かれたことにあるのだという。尚、著者のスヴァンテ・ペーボ博士は、7月5日(日)NHKスペシャル「生命大躍進」にも登場。併せてお楽しみください。(HONZ編集部) 少し前のことになるが、『ニューヨーカー』誌のスタッフライターであるエリザベス・コルバートさんが、スヴァンテ・ペーボという科学者の仕事を紹介する記事を書いていた。タイトルは SLEEPING WITH THE ENEMY –what happened between the Neandelthals and us? (敵と寝る--ネアンデルタール人とわれわれのあいだに何があったのか
「青木薫のサイエンス通信」久々の番外編です。今回取り上げたのは、毎日新聞の科学記者・須田桃子さんによる『捏造の科学者 STAP細胞事件』。論文に欠陥が発覚した後、一部の科学者たちの反応に、青木さんは違和感を感じたという。科学史にも残るであろうこの事件、はたして問題の本質はどこにあったのか?(※本稿は、青木さんご自身のFacebookに書かれていた感想を、そのまま掲載させていただいております。) 私はこれまで、FB上とかで、STAP細胞事件について何か言ったことはありませんでした。バイオ系メディカル系の話題は、ニューヨーカーの記事なんかも好んで読んでいますし、わりと気楽に話題にもしているのですが、STAP細胞事件に関してはーーとくに論文に疑義が出されてからはーーわたしなんかが何か言えるような状況じゃなかったのですよ(まあ、家族に生物系の研究者が二人いるので、うちわでは議論しておりましたが)。
このたび講談社ブルーバックスの一冊として刊行された『量子的世界像101の新知識』に、監訳者として参加させていただいた。 じつは本書の原書に出会ったときは、「量子物理学の本なんて、もう山ほど出版されているのだけどなあ……」と、ちょっと後ろ向きな気持ちだった。 ところが、目次を開いてみたとたん、読んでみたい、いや読まねばならぬ、と思わされる項目がいくつも目に飛び込んできたのである。そうして引き込まれるように読み進めるうちに、どうもこれは類書がないのではないかと思うようになったのだ。 たしかに、一般読者に向けて「量子力学」のイロハを解説しようという本ならたくさんある。けれども本書のように、量子の発見から百年あまりを経た二十一世紀の視点で、量子物理学の全体像を見せてくれるほどのものは、ちょっとないと思うのである。 量子力学のイロハを説明するのなら、まあ、物理学者がその気になればそれなりのことはでき
本書の著者ローレンス・クラウスは、長年、第一線で活躍してきた宇宙物理学者である。興味のある研究テーマは、彼自身の言葉によれば、「宇宙の始まりから終わりまで」だという。もちろんクラウスは、半分は笑いを取ろうとしてそんな言い方をするのだが、しかしそれは彼の本音でもある。クラウスは本気で、宇宙の始まりから終わりまでを知りたいと思っているのだ。 クラウスは専門の論文を多数発表しているほかに、一般向けにも多くの著作があり、邦訳されているものだけでも、『物理学者はマルがお好き』、『SF宇宙科学講座│エイリアンの侵略からワープの秘密まで』、『コスモス・オデッセイ│酸素原子が語る宇宙の物語』、『超ひも理論を疑う│「見えない次元」はどこまで物理学か』、『物理の超発想―天才たちの頭をのぞく』、『ファインマンさんの流儀』がある。本国アメリカではテレビやラジオへの出演も多く、You Tubeで彼の活躍を見ることも
今年も、花火の季節がやって来た。本書は「ハナビスト」こと花火写真家の冴木一馬さんによる花火解説本である。 冴木さんは、講演会などで必ず「花火は平和の象徴である」と言っているらしい。本書にもその記述がある。2011年現在、国連加盟国は192カ国だが、そのなかで花火が開催されているのは約30カ国だ。さらに、個人がお店でおもちゃ花火を買えるのは15カ国くらいしかない。販売時期が限られている国もある。ということで、おもちゃ花火を自由に買って遊ぶことができるのは日本の特徴で、平和の象徴なのだ。 小学校の頃、夜になると学校のグラウンドでおもちゃ花火をやった。ねずみ花火とか、パラシュートとか、なんか、ブーンって飛ぶやつとか。最後を飾るのはロケット花火だった。懐中電灯のまわりにカナブンが飛んできた。そうか、海外にはあまりないのか。 本書は “サイエンス・アイ新書” の一冊で、花火の種類や作り方、打ち上げま
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