「アメリカにとってのマイナスは私の頭では考えつかない」 日本製鉄の橋本英二社長は、アメリカ有数の鉄鋼メーカー・USスチールの買収計画について、1月の会見でこう語っていました。 しかし、労働組合の猛反発に続き、その後トランプ前大統領が「私なら即座に阻止する」と買収を認めない考えを表明。バイデン大統領まで買収に反対する組合の姿勢を後押ししているとされるなど異例の展開となっています。 取材を進めると、ことし秋の大統領選挙で、労働者の支持を取り付けたいという両陣営の思惑が買収の行方を複雑にしている状況が浮かび上がってきました。 (ワシントン支局記者 小田島拓也) 日本製鉄がUSスチールとの買収合意を発表したのは、2023年12月。 買収額の見通しは約2兆円、両社の粗鋼の生産量を単純に合計すると世界3位の規模となるため、日米の鉄鋼業界の大型再編として関心を集めました。 しかし、この買収計画にはアメリ