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ブックマーク / www.aozora.gr.jp (13)

  • 太宰治 清貧譚

    以下に記すのは、かの聊斎志異の中の一篇である。原文は、千八百三十四字、之を私たちの普通用ゐてゐる四百字詰の原稿用紙に書き写しても、わづかに四枚半くらゐの、極く短い小片に過ぎないのであるが、読んでゐるうちに様々の空想が湧いて出て、優に三十枚前後の好短篇を読了した時と同じくらゐの満酌の感を覚えるのである。私は、この四枚半の小片にまつはる私の様々の空想を、そのまま書いてみたいのである。このやうな仕草が果して創作の道かどうか、それには議論もある事であらうが、聊斎志異の中の物語は、文学の古典といふよりは、故土の口碑に近いものだと私は思つてゐるので、その古い物語を骨子として、二十世紀の日の作家が、不逞の空想を案配し、かねて自己の感懐を託し以て創作也と読者にすすめても、あながち深い罪にはなるまいと考へられる。私の新体制も、ロマンチシズムの発掘以外には無いやうだ。 むかし江戸、向島あたりに馬山(まやま

    littleumbrellas
    littleumbrellas 2017/09/03
    “菊気違ひ”
  • 桐生悠々 関東防空大演習を嗤う

    防空演習は、曾て大阪に於ても、行われたことがあるけれども、一昨九日から行われつつある関東防空大演習は、その名の如く、東京付近一帯に亘る関東の空に於て行われ、これに参加した航空機の数も、非常に多く、実に大規模のものであった。そしてこの演習は、AKを通して、全国に放送されたから、東京市民は固よりのこと、国民は挙げて、若しもこれが実戦であったならば、その損害の甚大にして、しかもその惨状の言語に絶したことを、予想し、痛感したであろう。というよりも、こうした実戦が、将来決してあってはならないこと、またあらしめてはならないことを痛感したであろう。と同時に、私たちは、将来かかる実戦のあり得ないこと、従ってかかる架空的なる演習を行っても、実際には、さほど役立たないだろうことを想像するものである。 将来若し敵機を、帝都の空に迎えて、撃つようなことがあったならば、それこそ人心阻喪の結果、我は或は、敵に対して和

    littleumbrellas
    littleumbrellas 2017/06/12
    制空権を抑えられた時点で負けで継戦という選択肢はない。国家の責任を庶民に転嫁するなという話でもある。現代に適用するなら敵地を攻撃できる国同士が戦争しちゃいけない。訓練の是非は重要な論点じゃないような。
  • 作家別作品リスト:楠山 正雄

    東京銀座生まれ。家は印刷業を営んでいたが、父が急逝し、また母の再婚がうまく行かず、家業は没落してしまう。そのため親戚を転々とし、多難な少年時代を送った。だが芝居好きの祖母や、学問熱心な伯父、また早稲田大学時代に師事した坪内逍遙や島村抱月など、周囲の人に恵まれ、彼の基礎がはぐくまれていった。大学卒業後の1907(明治40)年早稲田文学社に入り、編集者としてのキャリアを始める。そして読売新聞社を経て、1910(明治43)年冨山房に入社、そこで「新日」の編集主任として励むかたわら、一方で逍遙の「文芸協会」に参加し、評論あるいは翻訳劇脚家として活躍する。文芸協会解散後も抱月の芸術座に続いて参加し、しばらく編集者と演劇人の二足のわらじを履いていたが、1915(大正4)年冨山房社長の命を受け、「模範家庭文庫」の担当となる。親交のあった岡帰一にヴィジュアル面を託し、他人の原稿を編集するうち、児童文

  • 作家別作品リスト:梅崎 春生

    公開中の作品 赤い駱駝 (新字新仮名、作品ID:59356) Sの背中 (新字新仮名、作品ID:56772) 黄色い日日 (新字新仮名、作品ID:56773) 記憶 (新字新仮名、作品ID:56774) 狂い凧 (新字新仮名、作品ID:56775) 幻化 (新字新仮名、作品ID:56634) 魚の餌 (新字新仮名、作品ID:57172) 桜島 (新字新仮名、作品ID:56635) 蜆 (新字新仮名、作品ID:56776) 庭の眺め (新字新仮名、作品ID:56777) 腹のへった話 (新字新仮名、作品ID:59871) 日の果て (新字新仮名、作品ID:56636) 風宴 (新字新仮名、作品ID:56637) ボロ家の春秋 (新字新仮名、作品ID:56779) 凡人凡語 (新字新仮名、作品ID:56778) 八ガ岳に追いかえされる (新字新仮名、作品ID:59415) 作業中の作品 →作業

  • 作家別作品リスト:谷崎 潤一郎

    公開中の作品 蘆刈 (新字新仮名、作品ID:56875) アッシャア家の覆滅 (新字新仮名、作品ID:61341)     →ポー エドガー・アラン(著者) 泉先生と私 (新字旧仮名、作品ID:57370) 陰翳礼讃 (新字新仮名、作品ID:56642) 鍵 (新字新仮名、作品ID:56846) 覚海上人天狗になる事 (新字新仮名、作品ID:56943) 紀伊国狐憑漆掻語 (新字新仮名、作品ID:56944) 聞書抄 第二盲目物語(新字新仮名、作品ID:56945) 戯曲体小説 真夏の夜の恋 (新字旧仮名、作品ID:58152) 客ぎらい (新字新仮名、作品ID:58492) 恐怖 (新字新仮名、作品ID:56693) 小僧の夢 (新字新仮名、作品ID:57344) 金色の死 (新字新仮名、作品ID:57442) 細雪 01 上巻(新字新仮名、作品ID:56698) 細雪 02 中巻(新字

  • 作家別作品リスト:ドストエフスキー フィヨードル・ミハイロヴィチ

    公開中の作品 永遠の夫 (旧字新仮名、作品ID:46886)     →神西 清(翻訳者) カラマゾフの兄弟 01 上(新字新仮名、作品ID:42286)     →中山 省三郎(翻訳者) キリストのヨルカに召された少年 (新字新仮名、作品ID:47042)     →神西 清(翻訳者) クリスマスと結婚式 ――無名氏の手記より――(新字新仮名、作品ID:60812)     →米川 正夫(翻訳者) 正直な泥棒 ――無名氏の手記より――(新字新仮名、作品ID:60809)     →米川 正夫(翻訳者) 地下生活者の手記 (新字新仮名、作品ID:57393)     →米川 正夫(翻訳者) 罪と罰 (新字新仮名、作品ID:56656)     →米川 正夫(翻訳者) 百姓マレイ (新字新仮名、作品ID:47043)     →神西 清(翻訳者) 鱷 (新字旧仮名、作品ID:2069)   

  • 作家別作品リスト:内藤 湖南

    公開中の作品 維新史の資料に就て (旧字旧仮名、作品ID:3038) 禹貢製作の時代 (旧字旧仮名、作品ID:2611) 易疑 (旧字旧仮名、作品ID:2942) 応仁の乱に就て (旧字旧仮名、作品ID:1734) 大阪の町人学者富永仲基 (旧字旧仮名、作品ID:1735) 大阪の町人と学問 (旧字旧仮名、作品ID:3037) 概括的唐宋時代観 (旧字旧仮名、作品ID:1736) 学変臆説 (旧字旧仮名、作品ID:3337) 近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名、作品ID:2251) 近代支那の文化生活 (旧字旧仮名、作品ID:2607) 敬首和尚の典籍概見 (旧字旧仮名、作品ID:3583) 弘法大師の文芸 (旧字旧仮名、作品ID:2252) 爾雅の新研究 (旧字旧仮名、作品ID:2665) 支那古典学の研究法に就きて (旧字旧仮名、作品ID:2610) 支那史学史概要 ――史記より清初ま

  • 作家別作品リスト:近松 秋江

    公開中の作品 伊賀、伊勢路 (旧字旧仮名、作品ID:45514) 伊賀国 (旧字旧仮名、作品ID:45513) うつり香 (新字新仮名、作品ID:1675) 狂乱 (新字新仮名、作品ID:1677) 黒髪 (新字新仮名、作品ID:1676) 湖光島影 琵琶湖めぐり(旧字旧仮名、作品ID:4715) 霜凍る宵 (新字新仮名、作品ID:1678) 箱根の山々 (旧字旧仮名、作品ID:4662) 初雪 (旧字旧仮名、作品ID:59864) 雪の日 (新字新仮名、作品ID:53038) 別れたるに送る手紙 (新字新仮名、作品ID:4713) 作業中の作品 →作業中 作家別作品一覧:近松 秋江 ある一つの時代 (旧字旧仮名、作品ID:60592) 煙霞 (新字旧仮名、作品ID:60213) 桜花の賦 (新字旧仮名、作品ID:60218) 菊花の賦 (新字旧仮名、作品ID:60215) 畿内の桜 (

  • 河口慧海 チベット旅行記

    チベットは厳重なる鎖国なり。世人呼んで世界の秘密国と言う。その果たして然(しか)るや否やは容易に断ずるを得ざるも、天然の嶮(けん)によりて世界と隔絶し、別に一乾坤(けんこん)をなして自ら仏陀(ぶっだ)の国土、観音の浄土と誇称せるごとき、見るべきの異彩あり。その風物習俗の奇異、耳目(じもく)を聳動(しょうどう)せしむるに足るものなきに非(あら)ず。童幼聞きて楽しむべく、学者学びて蘊蓄(うんちく)を深からしむべし。これそもそも世界の冒険家が幾多の蹉跌(さてつ)に屈せず、奮進する所以(ゆえん)なるか。 余(よ)のこの地に進入せしは勇敢なる冒険家諸士に倣(なろ)うて、探検の功を全うし、広く世界の文明に資せんとの大志願ありしに非ず。仏教未伝の経典の、かの国に蔵せられおるを聞き、これを求むるの外、他意あらざりしかば、探検家としての資格においては、ほとんど欠如せるものあり。探検家として余を迎えられたる諸

  • 作家別作品リスト:葛西 善蔵

    1887(明治20)年1月16日、青森県弘前市松森町に生まれる。幼少の時、一家での北海道、青森・五所川原や南津軽郡碇ヶ関村などに転居した。碇ヶ関尋常小学校補修科を卒業後、単身上京するも帰郷し、北海道で鉄道車掌、営林署勤務などをした。1905(明治38)年に再び上京、哲学館(現東洋大学)で聴講生となるが、1908(明治41)年、徳田秋声に師事した。郷里で結婚したが単身上京して、作家を目指した。大正元年、広津和郎や谷崎精二らと同人雑誌「奇蹟」を創刊し、葛西歌棄の名で処女作『哀しき父』を発表した。生活苦などのためその後も別居・同居(東京・郷里の往復)を繰り返した。葛西は「自己小説」と呼ぶ私小説の文学像を追求し、『雪をんな』・『贋物』(いずれも大正6)などを発表した。大正7年の『子をつれて』が評判を呼び、大正11年頃までが全盛期となった。とくに『椎の若葉』や『湖畔手記』(いずれも大正13)などは詩

  • 作家別作品リスト:ロラン ロマン

    公開中の作品 ジャン・クリストフ (新字新仮名、作品ID:46822)     →豊島 与志雄(翻訳者) ジャン・クリストフ 02 改訳について(新字新仮名、作品ID:42609)     →豊島 与志雄(著者)    →豊島 与志雄(翻訳者) ジャン・クリストフ 03 第一巻 曙(新字新仮名、作品ID:42590)     →豊島 与志雄(翻訳者) ジャン・クリストフ 04 第二巻 朝(新字新仮名、作品ID:42591)     →豊島 与志雄(翻訳者) ジャン・クリストフ 05 第三巻 青年(新字新仮名、作品ID:42592)     →豊島 与志雄(翻訳者) ジャン・クリストフ 06 第四巻 反抗(新字新仮名、作品ID:42593)     →豊島 与志雄(翻訳者) ジャン・クリストフ 07 第五巻 広場の市(新字新仮名、作品ID:42594)     →豊島 与志雄(翻訳者) ジャ

  • 作家別作品リスト:吉川 英治 - 青空文庫

    公開中の作品 脚 (新字新仮名、作品ID:52446) 上杉謙信 (新字新仮名、作品ID:56461) 美しい日歴史 (新字新仮名、作品ID:55262) 梅ちらほら (新字新仮名、作品ID:55263) 江戸三国志 (新字新仮名、作品ID:57875) 大岡越前 (新字新仮名、作品ID:56072) 大谷刑部 (新字新仮名、作品ID:52448) 押入れ随筆 (新字新仮名、作品ID:55264) 御鷹 (新字新仮名、作品ID:56071) 鬼 (新字新仮名、作品ID:52449) 折々の記 (旧字旧仮名、作品ID:55252) 折々の記 (旧字旧仮名、作品ID:55316) 篝火の女 (新字新仮名、作品ID:56068) かんかん虫は唄う (新字新仮名、作品ID:56155) 魚紋 (新字新仮名、作品ID:56066) 銀河まつり (新字新仮名、作品ID:52441) くせ (新字新

  • 作家別作品リスト:牧野 富太郎

    公開中の作品 アケビ (新字新仮名、作品ID:47237) カキツバタ一家言 (新字新仮名、作品ID:47238) 風に飜へる梧桐の実 (新字旧仮名、作品ID:47233) 寒桜の話 (新字新仮名、作品ID:47234) 植物一日一題 (新字新仮名、作品ID:46820) 植物記 (新字新仮名、作品ID:51368) 植物知識 (新字新仮名、作品ID:46821) 火の玉を見たこと (新字新仮名、作品ID:47235) 牧野富太郎自叙伝 01 第一部 牧野富太郎自叙伝(新字新仮名、作品ID:55789) 牧野富太郎自叙伝 02 第二部 混混録(新字新仮名、作品ID:56695) ムジナモ発見物語り (新字新仮名、作品ID:47239) 利尻山とその植物 (新字新仮名、作品ID:49587) 若き日の思い出 (新字新仮名、作品ID:47236) 私の信条 (新字新仮名、作品ID:55790)

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