今年の「アフリカ工業化の日」のテーマ「実効的な工業化と市場アクセスを通じたアフリカのグローバル経済への統合の加速」は、ミレニアム開発目標(MDGs)と「アフリカ開発のための新パートナーシップ」(NEPAD)の目標達成に向けたアフリカの取り組みにおいて、工業化が果たす重要な役割を強調するものです。 アフリカの産業にとっての「グローバル化」は、実効性と競争力の強化という問題に帰着します。これに取り組むためには、活発で安定的な経済、しっかりとした輸出基盤、着実な投資の流れ、そして何よりも政治の安定が必要です。実効性と競争力はそもそも企業レベルで高められるものですが、経済政策と産業政策の役割は死活的に重要です。政府には、インフラの整備、技術の向上、取引コストの削減、ガバナンス(統治)の強化、教育を受けた熟練労働力の育成など、企業と産業にとって好ましい環境を整備することにより、比較優位を育ててゆく能