稲妻強盗がいた! 明治時代に稲妻強盗がいた。かなり有名な犯罪者で、現在でもフィクションの世界で活躍しているようだ。 ただし明治や大正時代の犯罪スターの中には、歌や芝居、はては映画の題材にまでなっている者もいる。彼らの中に入ると、稲妻強盗の人気も少々霞んでしまう。犯罪スターランキングを作るとすれば、せいぜい真ん中あたりの人気であろう。稲妻強盗の人気がイマイチなのは、粗雑すぎる上にドラマがないからだ。あと単純にこいつが近所にいたら嫌すぎるというわけで、早速だが稲妻強盗が近所に住んでいるとどれほど嫌なのか、紹介していくことにしよう。 稲妻強盗の少年時代 通称稲妻強盗、本名坂本慶次郎は、明治時代の強盗である。一日に四十八里走るといわれた健脚と、比較的広い範囲で強盗をしたため、稲妻強盗と呼ばれるようになった。生れは茨城県の新治郡中谷村大字大岩田六七番地、なんでそんなことまで分かるのかというと、書籍に