「すべての武器を楽器に」を合言葉に平和運動を繰り広げてきた喜納昌吉(きなしょうきち)。だが、この沖縄を代表するミュージシャンの姿は「本土復帰50周年」のイベントになく、いまや沖縄から排除されつつあるという。信念を貫き、独自の道を歩み続ける孤高の異端児の音楽と思想。 *** 【写真を見る】YMOにも影響を与えたといわれる喜納昌吉 沖縄を旅したことのある人なら、喜納昌吉(74)が作った「♪ハイサイおじさん、ハイサイおじさん♪」で始まる沖縄音階の軽快なメロディーを、ホテルやビーチ、街中の飲食店や土産物屋の店頭で必ずや耳にしているはずだ。 いや、このメロディーを聴くのは沖縄だけとは限らない。故志村けんの代表的なギャグ「変なおじさん」もこの歌の替え歌だったし、甲子園でもっとも頻繁に演奏される沖縄県代表の応援歌も同じメロディーである。沖縄発のもっとも有名な曲といってもいい。 今年7月22日に放映された